older boyfriend 02 ページ3
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甘さ控えめなクリームに、新鮮な果物を挟んだフルーツサンド。一つを手に取りはむっと口の中にいれる。
Aは忘れていると思うが、俺は一度彼女の作ったこのフルーツサンドを食べたことがある。
あれは確か俺がこの第七支部ではなく、他の支部に行った時だった。その会社の廊下を、その支部の社長と話しながら歩いていたところ、Aとぶつかってしまったのだ。
あの時、その支部の社長が彼女を怒っており「大丈夫ですよ」と仲介しなければ彼女はその上司に叩かれていたのだ。
「すみません、全く使えない奴で」
「……ふーん」
話し合いを終えた後、俺はその会社の屋上にいた。
ここに持ってきていた案件は無事に納得して承諾してもらえ特に不利益もない。
空を見上げてはただ無心でいた。
家を出て、少しの間はただ喧嘩ばかりをしていた毎日。適当に入った会社でまさかの系列会社の社長にまで上り詰めるとは我ながらすごいと思うのだ。特に不自由なく過ごしているのに、なんとなく日々がつまらないーーーそんな気がしていた。
「……あの、」
目の上に腕を置いて目を閉じていた俺に声をかけてきたのがAであり。腕を退けて「なに?」というと、彼女は「さっきはごめんなさい。どこも痛めてませんか」と律儀にも聞いてきたのだ。
大丈夫と答える。
するとAは「よかったです」とふんわりと笑ったのだ。ちょうどその時に鳴ってしまった空腹の音にAはまた笑って「コレどうぞ」と俺に包みを渡してきた。
それがフルーツサンドだった。
お礼ですと俺にそれを渡した。彼女のそばでそれを口にした。
「…!うまい」
思わず口にしてしまうと、彼女は満面の笑みを浮かべて「ありがとつございます」と言ったのだ。
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美桜 - 続き待ってまーす!(笑) (2018年8月16日 10時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 同じ名前ですねっ!とっても面白いです!!頑張って下さい! (2018年8月16日 10時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 紺谷 黎さん» コメントありがとうございます!私自身年上神威に甘い言葉を囁いてもらいたくこちらを書き始めました笑わわっ、そう言ってもらえた嬉しいです!!はい、友達ぜひ!笑笑 (2018年2月3日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます!3巻まで出すことにしましたのでまだまだよろしくお願いします!はい、無理せずに頑張ります! (2018年2月3日 22時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 真由さん» コメント、ご指摘ありがとうございます!訂正しておきました! (2018年2月3日 22時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2017年12月28日 11時