年上彼氏に要注意！【神威】

older boyfriend 01 ページ2

*



社長と交際し始めて変わったと言えば、彼と二人きりの時には「神威さん」と呼ぶようになったこと。神威さんは相変わらず、私のことを佐倉と呼んでいる。


会社では交際していることは内緒にしようと私が提案し、彼もそうすると言っていた。会社のトップである彼に恋愛沙汰でいろいろ問題が起きたら大変だと思ったからだ。

だがしかしーーー。



「な、何で言いふらしてるんですか…」


「ほらここって男女比は男の方が高いからさ」


「関係なくないですか？」




納得してくれたはずの張本人である神威さんは秘密にしようと言ったのに社内に広めたのだ。


おかげでいろんな女性陣には目を付けられるし、友人たちからは質問攻めである。



「それはそうとお弁当」


「……は、はあ…」



まあお陰で堂々とは付き合える。
……けれど、彼はそれで大丈夫なのか聊か不安である。


付き合い始めてからというものの、いつも通りの夜御飯プラスでお昼のお弁当を作っている。美味しいと言って綺麗に食べてくれるから嫌だと言えない。



「今日は何かな」


「社長が好きなものです」

「二人きりの時は名前呼びだろ」


「…ごめんなさい」



キッと睨まれて小さく謝る。

神威さんは楽しそうに包みを開けて蓋を開けるとフッと微笑んで「俺の一番好きなやつだ」と呟いた。



「神威さんってフルーツサンド好きですよね」


「佐倉が作る中で一番ね」


「でも、私…」



ーーー彼にフルーツサンドを作ってあげた記憶が全くもってない。



.

older boyfriend 02→←00

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す