緋 色 の 君 .【神威】

緋君40 ページ41

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阿伏兎に頼まれて神威を起こしに彼の早に一直線に向かった。ノック無しに彼の部屋に忍び入り、ベッドに近づけばまだ寝息を立てた眠っていた。寝顔はまだ小さな子供みたいだなって思わずクスリと笑う。


まだ地球に着くのは先出し、もう少しこの寝顔を見ていようか。彼を起こさず、近くにしゃがんではじっと見つめる。真っ白な肌、さらさらしてそうな髪の毛、綺麗に伸びているまつげ。輪郭のいい唇。



「……ってなに考えてんだ私」



ずっと10分ぐらい見つめていると、神威の寝顔はいきなり苦しそうになっていた。「えっ」と驚きのあまり声を出してしまう。額に汗が浮き出ていた。怖い夢なんか彼は見ても怖がることなんてないはずだ。怖いものなどこの世にないというような神威だから少し信じられない。


額に腕を乗せて苦しそうにしている神威に何もできないのが悔しい。彼は「……か___さん」と何かを訴えていた。だけど聞き取れない。



「神威、」



片方の手は拳を握っており、力のあまりか血が滲み出ていた。そんな彼の手を包むように手で覆って「大丈夫」とそっと呟く。



「神威…、」



カッと目を開いた神威は飛び起きるように身体を起こした。ハァハァと荒い息をしている彼はゆっくりと私を見てぎょっと驚いた目をした。「大丈夫？魘されてたけど」と声をかける。「あ、うん」としか返してくれなかった。


「もうすぐ地球に着くよ」と支度するように言えば、神威はわかったと言ってベッドから降りる。寝るときはノースリーブか。見えている腕を見て華奢だけど筋肉質なんだなと変態になった気分だ。



「……着替えるから出ていってよ」

「あ、ハイ」



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