緋君04 ページ5
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「頭重っ」
盛りに盛られた髪の毛、何重と重なる着物。
毎日こんなものを身につけて接待をしている遊女を尊敬してしまう。肩下ぐらいの長さの髪の毛を見て、日輪さんは「短いわね」と言ってエクステまでつける始末だ。
「何かあったらわっちらもいる。安心しなんし」
「私の貞操守られるかな」
「安心せぇ。お主に手を出したとなれば未成年と床についたということで金をたんまりと請求する」
「お金で私の貞操は買えませんよ」
苦笑いを浮かべると、月詠さんは準備ができたと最後に私の唇へと緋いリップを乗せた。こんな色の口紅なんてつけたことがない。小さい頃からの知り合いしかいないあの男世帯の中で唇に色なんかつけてもなんの意味もないと化粧すらしらないってのに。
準備が整い、土方さんと軽く打ち合わせをする。土方さんは「孫にも衣装だな」と言っては笑って私の頭を数回撫でた。お兄ちゃんは別件の仕事で今日はいない。彼からは相手に自分が警察だとバレても消して殺すなと煩く注意された。
「……"
「様になってるじゃねーか」
「どーも」
源氏名は「緋音」。わざわざ近藤さんが考えてくれたようだ。廓言葉を喋れるかどうかは別として、上品な女性を演じろと言われた。今回のホシのいる座敷へと向かうと一呼吸置いた。
これが成功すれば某有名レストランに土方さんがご飯に連れていってくれるそうだ。真選組のお給料の1/2ぐらいのお値段で結構するため男の人といこうと前々から決めていた。まあそういう相手がいないため今まで行ったことがなかったのだけど。
「失礼します。ようこそおいでくださいんまし。わっちは緋音でありんす」
顔を上げてホシを確認。
前々から見せてもらっていた男の存在を確認し、そしてもう一人の男を確認した。ちょうどその男と目が合う。サーモンピンクのアホ毛をちらつかせ、作り笑いを浮かべた其奴。年の功は恐らくお兄ちゃんと同じぐらい。
スッと視線を逸らし、中に入る。
お酒の酌に付き合わなければならなく、遊女が私一人のため、始め40代ぐらいのおじさんの隣に腰をかけた。
「別嬪さんじゃの」
ニコリと笑みを浮かべながら、気持ち悪っと内心吐き捨てる。この状況絶対お兄ちゃんが見たらお腹を抱えて笑うに違いない。
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みのりんご。(プロフ) - こんばんは!これすっごく面白いです!1日で全部読んじゃいましたよ!笑 胸キュンですね! これからも更新頑張って下さい♪応援してます! (2018年5月12日 21時) (レス) id: f49bc83b4c (このIDを非表示/違反報告)
スーナ-suuna - 面白かったで!!更新待っとるからな!!頑張りんせえ!! (2018年4月7日 17時) (レス) id: 7986e66cd6 (このIDを非表示/違反報告)
†レオナ† - 緋君12の2行目の正確は性格じゃないんですか?勘違いだったらスミマセン. (2018年4月4日 10時) (レス) id: 99a9e4b4ed (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 夏向さん» わわ、夏向さんお久しぶりですね!よいおはなしを書けるといいのですが…!ツイッター始めたんですか??気づいてない場合が時々あるので申し訳ないです…。あとで確認してきますね! (2018年4月2日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - ?京華月 桜?さん» いえいえ!!アドバイスもらえてこちらの方が嬉しいですよー!!たしかに京都っぽいところありますもんね。地方に住んでるからかなり難しい(汗)頑張りますね!!ありがとうございます! (2018年4月2日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年3月31日 11時