緋君29 ページ30
*
……全く。
地球の女はめんどくさい。
彼女もその一人だ。「俺と一緒にいたい」なんて言って彼女はあのお巡りサンの兄の手を振り払ってここまでやってきた。
俺が彼女を好きになるまではここに居座るつもりらしいが、俺は彼女のことをいや女をこれまでも好きになったことないし、これからもないだろう。必死になったって無駄に決まっている。
「夜兎にも弱い奴は結構いるんだね」
訓練場にて、地球の女相手に膝をつく第七師団の団員数名。どうしてこんなことになったのか。刀を扱う地球人を相手にしたときにどう対抗するかそんなのも理由の一つはあるが慣れておいて損はないということでAと団員たちを戦わせて見たのだ。
さすがは「天才剣士の沖田兄妹」である。
そんな異名があると阿伏兎が調べて教えてくれた。俺も一度は殺し合いを楽しんだ沖田総悟。彼の妹だけはあると思ったのだ。剣さばきはシンスケ以上かもしれない。
「情けない奴らだなァ」
「相手が私だったから仕方ないよ」
「そんな自信満々なのはいいけど油断してると死ぬ目見るよ」
まだ立てる者が油断している彼女を後ろから襲おうとする。だが、「油断なんてしないよ。気配バレバレだし」と刀の柄を引いた。男の男にちょうど当たってしまったらしく、団員が悶えてしまっている。なんて情けないんだろう。
彼女は刀を納めて、俺のところに駆け寄ってくると「私、自分の力は自負しているつもりだった」といきなりよくわからないことを言い出した。
「でも大切な人たちを守るために刀を握っては人を殺していっていた」
「……」
「刀握ると性格変わるってよく言われてるんだよね私」
相手にもよるけど。Aはそう言ってクスッと笑った。「でも、初めて神威と会ったときに何かこう変な感覚だったの」とまたなにかを話し出す。会ったときというのは吉原である男と商談していたときだ。第七師団にいる夜兎を何人が売ってくれないかという話だった。同族を簡単に見捨てるわけがないっていうのにだ。
.
365人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みのりんご。(プロフ) - こんばんは!これすっごく面白いです!1日で全部読んじゃいましたよ!笑 胸キュンですね! これからも更新頑張って下さい♪応援してます! (2018年5月12日 21時) (レス) id: f49bc83b4c (このIDを非表示/違反報告)
スーナ-suuna - 面白かったで!!更新待っとるからな!!頑張りんせえ!! (2018年4月7日 17時) (レス) id: 7986e66cd6 (このIDを非表示/違反報告)
†レオナ† - 緋君12の2行目の正確は性格じゃないんですか?勘違いだったらスミマセン. (2018年4月4日 10時) (レス) id: 99a9e4b4ed (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 夏向さん» わわ、夏向さんお久しぶりですね!よいおはなしを書けるといいのですが…!ツイッター始めたんですか??気づいてない場合が時々あるので申し訳ないです…。あとで確認してきますね! (2018年4月2日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - ?京華月 桜?さん» いえいえ!!アドバイスもらえてこちらの方が嬉しいですよー!!たしかに京都っぽいところありますもんね。地方に住んでるからかなり難しい(汗)頑張りますね!!ありがとうございます! (2018年4月2日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年3月31日 11時