検索窓
今日:22 hit、昨日:6 hit、合計:229,198 hit

緋君16 ページ17

*


森の中を抜けるのに随分と時間がかかってしまった。これじゃぁ見回りの途中にサボっていたことがバレてしまう。一刻も早く帰って真面目に仕事をしていました感を出さなければならないのだ。



「……理由、理由」



神威と別れて1時間近く経つ。
どうも私は熱が出てしまったらしい。さっきから胸が異様なぐらいにバクバクといっている。彼奴と会うと心臓に悪いのではなんて思いながら、森の中からようやく抜け出す。


……神威についていきたいと思ったほんとのところの話。理由を見つけろと彼は言った。その理由はなかなか私の中で見つけだせなくて。


屯所に帰り着き、自室ではくお兄ちゃんの部屋へと真っ先に向かった。そこには珍しく机に向かう彼がいて。私はその後ろの畳の上に転がっては彼に「私どうしたんだろう」と尋ねたのだった。私自身がわからないことをお兄ちゃんが知ってるはずないのに誰かに聞いて答えを出す方法しか思いつかなかった。



「そうだな。この前からテメェは変だぜ」

「お兄ちゃん…気づいてたんだ」

「可愛くねぇ妹だろうがな、俺ァお前の兄貴なんでィ。一緒の腹から生まれてきただけあってちゃんと見てりゃわかるんだよ」



机に向かう兄の背中はいつもより少し頼り甲斐のある背中に見えた。私はそれに背中を向ける。いつも私を馬鹿にしてはえげつない笑みを浮かべて笑っているお兄ちゃんだけど、やっぱり彼は私の兄だった。家族だった。


ゴホッゴホッと噎せていると、「薬ちゃんと飲んでんのかィ」と聞かれた。そういや今日の分はまだ飲んでなかったような気がするな。ほらよ、手の平に乗った薬を渡してくる。起き上がって、口にするとお兄ちゃんの飲みかけのお茶をもらって飲んだ。



「もしも…、私が死んだらお兄ちゃんはどうする?」

「……さぁな。考えたくもねぇよ。お前失うのなんざ」



.

緋君17→←緋君15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (196 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
365人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威、沖田妹 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みのりんご。(プロフ) - こんばんは!これすっごく面白いです!1日で全部読んじゃいましたよ!笑 胸キュンですね! これからも更新頑張って下さい♪応援してます! (2018年5月12日 21時) (レス) id: f49bc83b4c (このIDを非表示/違反報告)
スーナ-suuna - 面白かったで!!更新待っとるからな!!頑張りんせえ!! (2018年4月7日 17時) (レス) id: 7986e66cd6 (このIDを非表示/違反報告)
†レオナ† - 緋君12の2行目の正確は性格じゃないんですか?勘違いだったらスミマセン. (2018年4月4日 10時) (レス) id: 99a9e4b4ed (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 夏向さん» わわ、夏向さんお久しぶりですね!よいおはなしを書けるといいのですが…!ツイッター始めたんですか??気づいてない場合が時々あるので申し訳ないです…。あとで確認してきますね! (2018年4月2日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - ?京華月 桜?さん» いえいえ!!アドバイスもらえてこちらの方が嬉しいですよー!!たしかに京都っぽいところありますもんね。地方に住んでるからかなり難しい(汗)頑張りますね!!ありがとうございます! (2018年4月2日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2018年3月31日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。