older man 29 ページ31
*
「…………」
「…………」
「………って、」
今さっき、俺は何を彼女に言ったのだろうか。完全に、彼女が好きな素の俺が出てしまった。
無駄に恥ずかしいことを言って、Aにいちごをあーんして。思い返してみると、みるみる恥が募っていく。
「しゃ、しゃちょ」
「ちょ、調子に乗るなよ?!俺はただ、ただ…。
風呂に入ってくる!!」
「え」
何を言って誤魔化せばいいのかわからず。
これ以上、ここにいてはまた変なことをAに言ってしまいそうだった。上昇する体温と鼓動を収めるために風呂に入ったのだった。
42℃といつもはちょうどいい水温なのに、今日はどうしてか冷たく感じてしまう。火照った体と焦りを流すにはちょうど良い。
風呂から上がり、髪の毛を拭きながらリビングに戻る。そんなに長くは入っていなかったが、湯船には30分ぐらい浸かっていたようだ。
「……げ、」
Aのいたソファーに戻れば、Aがカクンカクンとうたた寝していた。「佐倉?」と声をかけるも耳には届いていないようだ。
近づいて、「眠い?」と声をかけるとAは「社長…」と小さく呟いてガクンと俺の方に倒れてきた。どうやら完全に落ちてしまったようだ。深い眠りに。
「…………」
そんな彼女を横抱きにし、ベッドに運ぶ。
寝室のベッドに寝かせると布団を被せて、ひたいを優しく撫でる。
そうして、俺はベッドに顔を埋めた。
Aと一緒にいると、ますます彼女のことを知りたくなるし、好きになってしまうのだ。
白いシーツから顔を上げると、片手を伸ばしてAの前髪を横に避けた。規則正しい寝息が耳を通り抜ける中、見えたひたいに口づけを落とし。
「A、……俺はAが好きだよ」
伝わることもない愛を囁いた。
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美桜(プロフ) - 銀皐月さん» コメントありがとうございます!うわわわ、そう言ってもらえて嬉しいです(泣)あんまり甘々にできなかったなァと感じてるんで続編では甘々っぽさを出して行きたいと思います!!年下沖田との同時進行で頑張ります! (2017年12月30日 12時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - 年上シリーズ、第一巻完結おめでとうございます!やっぱり美桜さんの書かれる神威くんは格別です。甘々な彼に、胸もお腹もいっぱいです。が!まだまだ私のお腹は満たされませんよ!笑笑 年下沖田と同時進行、頑張ってください! (2017年12月29日 9時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - りょー。さん» コメントありがとうございます!ホントですか?!ありがとうございます(泣)今回は甘い言葉を年上な神威くんに囁いて欲しくてこうなりました笑自己満ばかりの内容ですがこれからもよろしくお願いします!はい、更新頑張ります! (2017年12月28日 9時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
りょー。(プロフ) - 初めまして!美桜さんの作品は全部ずーっと読んでいて大好きです!今回の神威も言葉には表せないくらい素敵です(ノ)ω(ヾ)ニヤニヤしながら読ませて頂いてます!!更新頑張ってください(●´ω`●) (2017年12月13日 23時) (レス) id: 365e28b0af (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 狛犬と朧月+さん» 朧月さん!コメントありがとうございます!素敵な作品とは程遠いですがそう言っていただけて嬉しいです!はい、更新頑張ります! (2017年12月10日 22時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2017年12月9日 10時