年上上司に要注意！【神威】

older man 23 ページ25

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「社長…」


「何？」




別に要求してた訳ではないけれど、食べられるなら器などどれでもいいと思っていた。



「社長は家政婦雇ったり奥さんとかもらったりしようって考えてないんですか？」



私なんかより家政婦さんを雇ったほうが料理の他に洗濯掃除までやってくれる。それに奥さんという生涯を共に生きる人を作れば、彼もまた違う味わいかたもできると思うのだ。


以前から不思議に思っていたことを口に出すと彼は「家政婦なんていらない」と言い切った。それに…と付け加えられた口からは。



「俺、心に決めた人いるし」



……と。

「それならその人に、」と言った私を彼は鋭く睨んで「俺は佐倉のご飯が食べたいんだ」と。


言葉は全然違うのに、私なんじゃないかって自意識過剰になってしまう。「それじゃあ、この器のセットなんでどうですか」と桜の模様が入った白い器を両手に持って社長へと見せた。




「さくら？」


「はい？」


「いや、違う。模様だよ模様。佐倉って桜好きなの？」




さくらとさくらが混じってしまいどっちがわからなくなるね、と笑った社長に私も吊られて笑ってしまう。



「好きですよ、桜」


「ふーん」


「だから漢字は違うけど自分の苗字も結構気に入ってますし、すぐに桜の模様は目に入っちゃうんです」



そのためかいろんな人から桜のこと語るねと言われたことがある。


社長は、私の隣に膝を曲げると「なら、これにしよう」と一式全てカゴの中へと入れて行った。


会計してくると彼はレジの方に行った。

戻って来た社長は紙袋に入ったそれを私に手渡す。中を確認すると綺麗に包装されていて、ピンクのリボンがかけられていた。



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