年下男子と恋愛中。【神威】

恋愛34 ページ34

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「え、ちょっ、Aその子誰？！」



皆が騒ぎ出す中、坂田さんは「彼氏持ちだったから乗り気なさそうだったんだ」とニヤニヤと笑っていた。それにピクリと反応した彼は、私を引き寄せて唇をキスを落とす。



そのまま引っ張って家路につく彼。

友人らが詳細教えなさいと叫んでくる中、私の頭は「どうしよう」と不安でいっぱい。




「か、神威くん…！」


「……………」





怒っているのだろうか。
怒って当たり前だよね。神威くんの気持ちを知っていながら合コン行ったり、男の人に絡まれてる姿を目撃されたり。



急に立ち止まった神威くんに、ドスッとぶつかる。
鼻を押さえて上を向けば、やっぱり怒った彼の顔があって。胸が張り裂けそうなぐらい大きな音を立てていた。




「Aちゃんは、俺と付き合ってるってわかってないでしょ」


「わ、わかってるよ…！」


「なら、なんでAちゃん、友達とかに彼氏いるって言わないの？俺が年下だから？」




冷たく低い声は、私の心に鉛を落としていく。
「付き合ってる人がいる」って友人らに言えたらどれだけ楽なのかたくさん考えてきた。


私がそう言ったところで彼女らはきっと「遊ばれてるだけ」だって言って神威くんをよく思わないはすだ。


以前、高校生と付き合っていた同じ学科の子が遊ばれていたからそういうイメージがこびりついている。




「神威くんのこと大好きだよ。でもっ、神威くんと付き合ってるって言って神威くんのこと悪く思われるのが嫌なの」




わかってほしいのにわかり辛い言葉を並べていく。
どう言っても言い訳にしか聞こえないかもしれない。


お互い不安だらけなのに、それを素直に言えないのがこんなにも辛いだなんて思わなかった。




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