年下男子と恋愛中。【神威】

恋愛12 ページ12

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「トシ先輩っ人を好きになったことありますか？」




Aの表情はいいものではなかった。

自分で言った言葉はこいつの笑顔を守りたくて言った。それがたとえ自分に好意が向かなくて悲しくとも。



俺は、二年前にこいつと初めて会ってから今日までにいろんなAを見てきた。





『トシ先輩おはようごさまいます！』


「おう。おはよう」




いつしかこいつの素直で優しい一面に惚れて。
だからこそ自分のものにしたいとも思うし、それが叶わなくとも幸せに笑顔でいてほしいと思うのだ。


だが、その相手が高校生、ましてや彼女より年下となれば考えものだ。ただの隣同士でしかない年下の男に惚れて彼女が幸せになるのか考えてもうまくたどり着かない。





「……トシ先輩は神威くんのこと知らないからそう見えちゃうのかもしれないです。でも、私は目で見てきた彼が、好きなんです」


「…………」


「神威くん顔カッコイイし、見た目はあんなだけど。寝顔もすっごい可愛いし、よく食べてよく笑ってくれる素敵な男の子なんですよ」





Aの１つ１つの言葉に嘘は１つも感じ取れなかった。それほど、あのガキにほの字なのだろう。


ーーだが、やはり腑に落ちない。
それはきっと俺もあのガキに負けたくないからだろう。





「なぁ…A。俺ーーー、」

「Aちゃん！付いてきて！」


「え？」




彼女へと自分の気持ちを伝えようとしたが、それはガキによって遮られた。ガキによって繋がれた手に一瞬にして頬を染めたAを見てみると、自分には到底無理だと察してしまう。





「ひーじーかーたァ」


「……なんだよ総悟」


「お題で殺したくて堪らない野郎ってでたんで付いてきてもらっていいですかね」


「断る」






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