団長と、好きなコト。【神威】

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姉ちゃんの恋人だという神威さん。


初めはからかおうと思って弟ということを黙っていた。そしたら、俺を浮気相手か何かと勘違いしていたらしい。




神威「Aのそれちょうだい」


『え、なら神威のそれと交換』


神威「嫌だよ。俺、これ好きなんだから」





ひょい、と姉ちゃんの皿の上にのる食べ物を奪い取り口の中に放り込んだ神威さん。あっ！と声をあげて「最低！」と怒り出す。





『もうほんと自分勝手なんだから』


神威「ま、今日の夜ご飯チキン南蛮らしいし、それあげるよ、………多分」


『言ったからね。男に二言はないよ』


神威「多分だって多分」





もう、と言ってる姉ちゃんがご飯を口にする。
少し食べて、俺に「今日はどうするの？」って聞いてきた。


ーー俺としてはまだいたいところだが。




蓮「帰るよ。姉ちゃんの様子見てきてほしいって親父に言われただけだし」


『そうなの？』


蓮「そそ」


『え…、なんかさみしいなぁ。まだいてもいいんだよ？遠慮せずに』





俺もまだ姉ちゃんとはいたい。


しょぼくれる姉ちゃんに神威さんがとんとんと肩を叩いた。こっち、と顔を向かせる神威さんは姉ちゃんの頬についていたご飯つぶを取ってやる。



なんだ王道ラブコメかよ。なんて思っていれば、姉ちゃんはそれだけでも頬を染めた。取り方が取り方だししょうがないだろう。手でとらず舌で舐めるんだから。




蓮「(本当は見合いの話が来てるってこと言いに来たんだけど)」




ーーー俺の大好きで大切な姉ちゃんが幸せなら、この縁談は断るべきだろう。




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