禁 制 恋 愛 .【神威】

Bergamo7 ページ8

.



A



.




「沖田さん、あれはなんですか？」


「あれは駄菓子屋でィ」


「あれがそよの言っていた食の宝庫ですね」




歌舞伎町に出てきて数時間。

どこか甘い匂いのする駄菓子屋の前を通りかかった。そよがいつか無断で外に出かけて行った時に、"神楽ちゃん"と言う子から教えてもらったのがここらしい。



ーーー一時期、ここ江戸の街で一躍ブームになった酢こんぶが売られているらしい駄菓子屋。




「行ってみたいです」


「ガキかよ」


「ガキな大人です」


「へいへい」




めんどくさそうに言う彼の腕を引っ張ってそのお店の中へと足を踏み入れた。中には瓶に入った可愛らしい飴玉やお菓子がたくさんあった。


そよが食の宝庫だというだけあるかもしれない。




「姫さん金持ってきてンのか」


「任せたください。ざっと5万持ってきてます」


「(金持ちは金遣いはんぱねェな)」




小さなカゴにポンポンと駄菓子を入れていく。

沖田さんは外で待ってると外に出て行ってしまい。
カゴ二つ分ぐらいの駄菓子を購入して、外に出た。




「こんなところで会うたァ、明日は槍が降るな」


「こちとら昼からサドの顔見て気分悪くなったアル。消えろよサド」


「テメェが消えろ」




外のベンチにてサーモンピンクの頭の子と何やら言い争いをしている沖田さん。彼らの元に近づくとその子がこちらを振り向いた。



.

Bergamo8→←Bergamo6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す