禁 制 恋 愛 .【神威】

Bergamo36 ページ37

.



どれぐらい泣いただろうか。
一人で泣くとどこか晴れた気分になれる。




「ーーーA姉様」


「………………」


「ーーーA姉様」


「(…………好き、)」




いくら泣いても、神威への想い涙と一緒に流れてくれなかった。

目が腫れるほど泣いた私は、久々に会ったそよの遊びの相手をしていた。




「もう！A姉様！！」


「……えっ？あ、ごめん…」


「もうA姉様帰ってきてからずっと可笑しいですよ」


「ごめんね。ちょっとぼんやりしてて」




「全くもう！」と頬を膨らませる彼女に頬を緩める。そよはお友達だという神楽ちゃんのお話をずっとしていた。


確か神楽ちゃんは神威の妹とかいう話を聞いた。……となると彼女は私の実の妹になるのか。それを聞いたら、神楽ちゃんはどう思うのかな。




「A姉様。私、今この本にはまってるんです。読んでみてください！」


「え？そよが小説だなんて珍しいわね」


「そんなことないですよ。私だって文芸女子なんです！！」


「ふふ、おてんば女子の間違いでしょ？」




楽しそうに話をしていたそよを眺めていれば、そよは私に一冊の本を渡してきた。彼女オススメのものらしく、私も暇を持て余すことが多いのでありがたくそれを受け取って読んでみることにした。



.

Bergamo37→←Bergamo35

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す