禁 制 恋 愛 .【神威】

Bergamo34 ページ35

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ーーー部屋に戻ると、沖田さんが静かに座っていた。


彼の隣に腰掛けて、「ごめんなさい」と謝罪の言葉を述べる。彼は「何に対してだ。俺ァ謝れるこたァされてねぇよ」と言った。




「私が戻ってきたとき、どう思いましたか？」


「……べつに」


「兄上様から聞いたでしょ？真選組の方々に私のことを話したと聞きましたよ」


「……………」




何も言わず黙る彼に、私は「運命って残酷ですね」と静かに呟いた。


この想いが消えることは一生ないかもしれない。
兄妹で恋愛なんてそんなものできるはずがないだろう。




「私は、叔父上様の名により星海坊主さんの家族から誘拐されたそうです」


「……は？」


「そこまでは聞いてなかったんですね。あの人は自分に不利益になることはもみ消す人でしたし」




失笑を零す。

当時、女の子が欲しかったらしい叔父上様。だけど、子を持つことのできなかった彼は夜兎という種族の女の幼子に目をつけたらしい。


だが、自分の手には負えないことがわかりすぐに現将軍である茂茂兄様の両親に私を託したそうだ。




「神威と洛陽にいったんです。彼の家だったところに連れて行ってもらって一枚の写真を見つけました」




その写真の裏に書かれた字。


ーーーどこにいるの。貴方を今も探してる。

その文字の羅列は、涙で滲んでいた。
私がどれだけ本当の父や母に愛されていたか。




「沖田さん。私のこの想いはどうやったら消えると思いますか」


「……………」


「今から他の人を好きになれば、あの人のこと忘れられるんでしょうか」




次々に出てくる言葉に、沖田さんはハァ、と大きなため息を零した。



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