禁 制 恋 愛 .【神威】

Bergamo33 ページ34

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また子さんには城の近くまでついてきてもらい、その後別れた。すぐに真選組の隊士に見つかり、保護され城に戻ってきた。



戻ってきた私をみて、沖田さんは一体何を考えただろうか。私が自ら神威について行ったという事実は兄上様一人にしか伝えなかったらしい。



兄上様に会うと、私はひたいを床につけた。
二人きりの部屋に兄上様の優しい声が響き渡った。
決して怒っていなく、優しい"兄"の声。




「ごめんなさい……っ、」


「A、顔をあげるんだ。決してお前を怒っているのではない」




軽く頭をあげる私に兄上様は「お前も辛い想いをしたのだろう」と優しく背中をさすってくれた。


ーーー兄は知っていた。私がこの徳川家の血を引く者でないこと。兄やそよと違う人種だってことも。




「……兄上様、どうして神様はこんなにも無下なのでしょうか。漸く出会えた人が、……実の兄妹、だなんて……っ」


「…………A、」


「運命だと思ったんです。……たけど、それは全部神様のイタズラにすぎなかった。……私、あの人のことここまで好きになってしまったのに、」




何も悪くないのに、兄上様はただただ私を抱きしめて「悪い。ずっと黙っていて」と言い続ける。


留めなく溢れ出す涙と悲しみの嗚咽が部屋中に響き渡る。


ーーーこの涙と一緒に、彼への想いも流れてくれればいいのに。




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