禁 制 恋 愛 .【神威】

Bergamo19 ページ20

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ーーー夜、導かれるように彼のいる城の最上階へと足が進んでいく。


ベランダの襖を開ければ、月に照らされたサーモンピンクの髪が柔らかく宙を舞って。彼の青い瞳に私が写り込む。



「今日は屋根に登ろうよ」と私に手を差し伸べてくれる彼の手に自分のを乗せると彼は優しく横抱きにして、屋根の上まで。



彼と出会ってこうやって話していて、わかったことがたくさんある。"偶然"な共通点や彼の性格。


どんどん知っていく度に、吸い込まれるかのように彼に惹かれていく。



ーーー彼も私と同じ【6月1日】生まれ。血液型も一緒。好きな食べ物も全て一致してしまうなんて"運命"なんじゃないかなって考えてしまうほどに。




「……いいな。私も神威みたいに自由になりたい」


「……………」


「ここは息苦しいの。息が詰まってしまうわ」


「そう」




短い返事だけど、同情をしてくれないところが好きなのだ。同情で優しくされるのは好きじゃない。



「……こんな話面白くないよね」と彼を見れば、唇に当たる柔らかい何か。近くなっている距離に思わず胸が跳ねてしまう。




「俺は聞きたいな。Aのこともっと知りたい」


「……っ。ははっ、……ありがとう」


「ーーーそうだA」


「はい？」




彼は屋根に立つと月に向かって人差し指を。
そして、私を見て神威はふっ…と不敵な笑みを浮かべた。




「君をさらってあげる」



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