Bergamo16 ページ17
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「手加減なしで行きやすぜィ」
「はい」
「せーの、で始めまさァ」
部屋につき、机に向かい合うと手を合わせた。
きつく握り合い、沖田さんの「せーの」で始まった腕相撲。
少し力を出しみれば、沖田さんと互角くらいになり初めの位置から全く動かずにいた。少し力を抜いてたところ、あっという間に手の甲は机にペタンコとくっついた。
「負けちゃいま…」
「今力抜いただろィ。もう一回でィ。次は本気で来い」
「…………」
これで終わりかと思えば、力を抜いたことを見抜かれておりもう一度勝負することになってしまった。
ーー本気と言われても……。
「(どこまでが本気なのか、)」
「せーの」で再び始まった腕相撲。
初めは互角ーーーいや、私の方が沖田さんの腕を圧していた。ギギギとその場の雰囲気が乱れるようだ。
ふんっと踏ん張るように力を入れれば、呆気なく沖田さんの手の甲が机の上に引っ付いた。
「これで、終わりです」
「……チッ」
グーパーグーパーと手を開け閉めする。
剣を扱う沖田さんに勝ってしまうとは、やはり私の力は未知のものなのか。地球人が持つべきものではない気がする。
「女に、……負けた」
ブツブツと独り言を漏らす沖田さん。
「やっぱり私って普通じゃないですよね」と聞いてみると、彼は「んなこたァねーよ」と。
「私、……………、やっぱりなんでもないです」
「言いかけといて言わねェつもりかィ」
「不安なのでやめときます」
ーーー姫様は、普通じゃない。
昔、城の奉公人から言われた一言。
私の青い瞳や真っ白い透き通るような肌。
時々、私を見るその人たちの瞳が怖かった。
「(息苦しい……、)」
昔からここが私の居場所ではないんじゃないかと度々思っていたのだった。
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狛犬と朧月+ - あなたの作品、いつも楽しんで読ませていただいています。とても面白くてすっかり大ファンです!続きスッゴク気になります、これからも頑張って下さい!! (2017年11月10日 21時) (レス) id: 9604c8573d (このIDを非表示/違反報告)
reiponn(プロフ) - 歪んだ愛情、愛してる、小さなうさぎどれも見てます!この作品もすっごく大好きです!これからも頑張ってください! (2017年8月24日 20時) (レス) id: 61a6d8b17c (このIDを非表示/違反報告)
夏向@テスト期間は低浮上(プロフ) - 美桜さん» はい、確かにコメントするのは久しぶりです(笑)でも美桜さんの作品は更新される度にニヤニヤキュンキュンしながら読んでますよ〜! (2017年8月22日 21時) (レス) id: 2e5a8262c2 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - nonさん» コメントありがとうございます!次はヤンデレと言いましたが、多分イクメンパパ出すかもしれないです笑笑でも!ヤンデレも出しますよ!お話はいろいろ溜まってきてますので。その前に沖田さん出すので待っててくださいね!! (2017年8月22日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 黒狐の信乃さん» コメントありがとうございます!ヤンデレ初挑戦で展開的にも面白いやつ考えてるので待っててくださいね! (2017年8月22日 20時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作成日時:2017年5月28日 12時