団長と、あんなコト。【神威】

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風に靡いて、奏でられる木の葉の音楽に耳をすませ。





『(ーーー綺麗)』




耳を澄ませていれば、後ろから足音が聞こえて来た。初めは奇襲かと思ったが段々近づいてきた足音に、一人の男が思い浮かびそのまま立ち尽くしていれば奴はやはり抱きついてきた。





神威「ーーーA」


『何？』


神威「何やってんの？サボり？」


『違う。ただ綺麗だなってみてただけ』





私を抱きしめていた彼は離れるとニコッと笑ってみせた。キュン、となる胸にポーカーフェイスを保ちながら彼をまじまじと見ると。

…………血だらけだ。





『ねぇ、星潰しのときは抱きつかないでって言ったでしょ。服汚れちゃったじゃん』


神威「ごめんごめん。Aを見つけたら抱きつきたくなっちゃって」


『……もう…』


神威「(ーーーあまりにも、この大樹を眺めるAが綺麗で)」





とか言って、彼の抱擁を拒まない私も甘々なのだ。

神威は、「終わったなら帰ろ」と一度自分の手をチャイナ服の裾で拭くと私の手をぎゅっと握ってきた。




神威「帰ったらお風呂入らなきゃ」


『そうね、汚いし』


神威「よし、一緒に」

『無理』


神威「最後まで言わせろよ……」


『大体わかるのよ、考えてること』





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