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先ほどから煩かった玄関に、重たい腰をあげて行ってみるとそこには総悟とお兄ちゃんがいた。桜兎に無理やり握手をさせられているようで笑いを堪える。
久々にやってきたお兄ちゃんと総悟と3人でお茶をする。桜兎は一人ままごとをしていた。
「へぇ〜。そっか、次は男の子か」
「そうでィ。羨ましいだろィ」
「ぜーんぜん。それよりよかったネ、Aとプロレス合体技できたようで」
真顔でとんでもないことを言ってくるお兄ちゃんに苦笑いを浮かべる。と、ここで桜兎が「プロレス?」と聞いてきた。
慌てて「なんでもないよ」と言おうとする私を遮り総悟が「桜兎にもいつかわかる」と父親が言うべき言葉ではないことを言いやがった。
『ちょっと総悟!!変なこと言わないで!パピーでしょ!』
「俺ァ、パピーじゃなくて父上でィ。テメェがマミーパピー言うから桜兎が真似したんだろィ。今すぐ直させとかねーと、チャイナみたいになっちまうだろィ」
『神楽を侮辱するな!それにマミーパピー呼びのほうがかわいいじゃん!神楽を見てみなよ!』
総悟はどうやら地球の伝統(?)の父上、母上呼びを娘にさせたいらしく。でも、私はパピーマミーがいい。
「はーい、そこまで。
桜兎がまた泣いちゃうよ」
「かむいおじちゃん好きぃ」
「ふふ、知ってる」
「おい、なんかムカつくから桜兎から離れろィ」
「嫉妬は良くないよ。それに桜兎がくっついてるんだ」
睨み合う二人の間で満面の笑みを浮かべ笑っている桜兎に、三人にクスクスと笑みが溢れる。
私の笑い声に二人が見つめる。
「ーーーA、お前が幸せになってくれて俺は嬉しいよ」
「俺が一緒にいるんだから幸せに決まってらァ」
「そうだね。さーてと、俺はもう帰ろうかな」
そう言って腰上げるお兄ちゃんは桜兎の頭を撫ぜると玄関の方へ歩いていく。
それを追いかけるように私は歩いて行き。
『お兄ちゃん、ありがとう』
「俺は"ありがとう"なんて言われる立場じゃないよ。お前の幸せを奪うようなことばかりしてきた。
…………だけど、お前の笑ってる幸せそうな顔を見れてよかったよ。
ーーー俺の自慢の妹よ。もっと幸せになれ」
最後に、お兄ちゃんは私の頭にポンッと手を置くと帰っていった。走って庭先に出て歩いていく兄に叫んだのだった。
『お兄ちゃんも私の自慢のお兄ちゃんだよ!
ーーー愛してる!!』
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アキ(プロフ) - 沖田かっこよすぎるしもうほんとに最高でした。。!一気読みしちゃいました笑笑 (2022年2月27日 0時) (レス) @page48 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 蘭夢さん» もう何ですかその嬉しい言葉の表現は!笑笑嬉しいことばかり言っちゃってくれて!泣きますよ← (2017年6月28日 22時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭夢(プロフ) - 此処ww 何回目です?wwまた、来てしまったww 何故か此処に良く来るww もう何度も読んだのにww そして、何故か気づいたらww もう開いていたww 今、5〜6回目 位かな?ww (2017年6月28日 21時) (レス) id: 84be498276 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - カナリアさん» コメントありがとうございます。テスト勉強は大切ですよ。私なんて受験終わってからの中間テスト、ほぼノー勉で行ったら順位一つ落ちましたもん笑笑わわわっ、ありがとうございます!これからも頑張ります! (2017年6月23日 1時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - テスト勉強ガン無視で読みふけちゃいました笑いーなーいーなー夢主ちゃんが羨ましくてたまらない。あんな幸せな家庭!気づきたいです笑これからも時間をおいて愛読させていただきます♪ (2017年6月23日 1時) (レス) id: 8d5d6e7b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2017年4月29日 10時