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屯所のとある部屋の襖を少しあけた少女は、部屋の中を見渡した。中にいたその人物に、パァッと笑顔になるとスパーンと襖をあけたのだった。
「トッシー!!」
「ぅおわっ!桜兎!」
「トッシー!!」
桜兎は手に激辛せんべいを抱え、トッシーこと土方の背中に飛びついた。最初は、総悟に似てどんなガキに成長してしまうか不安だった土方だが、桜兎は見ての通り、彼へとかなり懐いている。
「肩車!」と土方の肩に乗り始める桜兎を落ちないように支えて肩に乗せてあげる土方もやはり優しい人間に変わりはない。
「総悟はどうした」
「パピーはお部屋で寝てたからトッシーのところ来たの!」
「ハァ?!あのクソ野郎……」
「まあまあ、」
土方の髪の毛を掴み、「あっち行こう!」という桜兎に渋々付き合い部屋から出る。
こういう温厚なところはAに似たのかと思うと安堵の息しか漏れなかった。
「もうすぐ妹か弟できるの」
「そうか。しっかり姉ちゃんするんだぞ」
「うん!パピーも喜んでるよ」
「だろうなァ、あいつの顔見てりゃわかる」
「ふふふ」
総悟の部屋を開けるとやはり昔から変わらぬアイマスクをつけて大の字で寝ていた。呆れた目を向けたままため息を零し、縁側にでるために草履を履く。
「あのねあのね」
「なんだ」
「私大きくなったらトッシーと結婚するのー」
「ブフォォオオオ!!!」
土方の肩からするっと降り、背中に手を回したままの桜兎は土方の頬にキスをする。
子供からのプロポーズは可愛いのであるのだが、
「桜兎、父ちゃんにはそれ絶対ェいうなよ」
「なんで?」
「なんででもだ!」
沖田に知られると後々厄介なことになりかねない。
桜兎のことを溺愛しているから。
「(お、落ち着け十四郎。たかが子供の戯言だ)」
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※土方さんたちは桜兎が沖田の子じゃないことを知りません※
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アキ(プロフ) - 沖田かっこよすぎるしもうほんとに最高でした。。!一気読みしちゃいました笑笑 (2022年2月27日 0時) (レス) @page48 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 蘭夢さん» もう何ですかその嬉しい言葉の表現は!笑笑嬉しいことばかり言っちゃってくれて!泣きますよ← (2017年6月28日 22時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
蘭夢(プロフ) - 此処ww 何回目です?wwまた、来てしまったww 何故か此処に良く来るww もう何度も読んだのにww そして、何故か気づいたらww もう開いていたww 今、5〜6回目 位かな?ww (2017年6月28日 21時) (レス) id: 84be498276 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - カナリアさん» コメントありがとうございます。テスト勉強は大切ですよ。私なんて受験終わってからの中間テスト、ほぼノー勉で行ったら順位一つ落ちましたもん笑笑わわわっ、ありがとうございます!これからも頑張ります! (2017年6月23日 1時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - テスト勉強ガン無視で読みふけちゃいました笑いーなーいーなー夢主ちゃんが羨ましくてたまらない。あんな幸せな家庭!気づきたいです笑これからも時間をおいて愛読させていただきます♪ (2017年6月23日 1時) (レス) id: 8d5d6e7b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2017年4月29日 10時