【銀魂】溢 れ る 愛 情 .

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「まァ、それでもアンタがAのこともう愛せないっていうなら、俺がAを今度こそは妹としてじゃなく女として取り戻しに来るけどネ」




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『でもね、この子のこと、』






あの時、Aが俺に言いかけた言葉。
その言葉に、無理やり自分の言葉をかぶせあいつを傷つけてしまった俺。



今なら、わかる。あいつがあの時なんて言おうとしたかが。





ーーーこの子のこと、父親は総悟だと思って育てたい。





それだっつーのに、俺は……。


俺は隊服のジャケットを手に取ると、急いで講演を出た。走って行くのは万事屋。


今まで足がすくんで階段を上ることもなかったが、今は楽々と登れて行く。



いつもと同じ。中は馬鹿みたいに騒がしく。チャイナの怒鳴り声に、旦那の声。時折、眼鏡のツッコミ。



俺がインターホンを押すと、旦那が出てきた。
「やっときたか」と俺を中に入れてくれ。



いつもは旦那の部屋になっているそこをあけて「A、調子どうだァ？」と気だるげな声で中の奴に話しかけていた。





「やっと来たアルカ」


「テメェの後にもう一人シスコン野郎が来やがったんでィ」


「神威アルカ」





「おう」と短い返事をし、旦那の部屋を除く。
そこには旦那に手を貸してもらい、起き上がるAがいた。

俺と目があったが、すぐに逸らされてしまった。






『銀さん、私まだ寝てる。気持ち悪い』


「そうか？」


『うん……』





再び布団に潜るAに、俺は何も言えなかった。
妊娠初期にある症状だろう。

旦那と入れ替わるように部屋に入り、Aの眠る布団の横に座った。一度ビクッと反応したA。





「おい」


『帰ってよ』


「は？」


『どうせ神楽に言われた来たんでしょ。そんな優しさいらない……っ。"神楽に言われて来た総悟"なんて嫌い』






嗚咽まじりにAが言う。

確かに、チャイナや神威に言われたのは変わりない。だが、俺はそれでも行きたくないと思えば何が何でも行かない奴だ。





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