【銀魂】溢 れ る 愛 情 .

溢108 ページ18

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『それでも、私はこの子を産みたい』





Aの言葉に、沖田は顔色を変えて立ち上がる。
未だに男に怯えるAに近づいてその肩を思いっきり掴んだ。





『でもね、この子のこと』

「ーーー堕ろせよ」


『……………っ』


「ンな、奴に無理やり犯 されてできたガキなんて産まなくていいんでィ!!!テメェが辛いだけだろィ！！」


『私は、この子を産みたいの総悟…！』






決してAが泣くことはなかった。ここで泣いてはいけないのだ。母となるからには強くならなければならない。

だからこそ、





『離して、総悟』


「…………っ。俺は………、」

『いいよ……。結局、私は総悟のこと悲しませるようなことしかしてないね。

…………ごめんね、私総悟とはさよならするね』


「は、………ど、どこに行くんでィ」


『この子のこと産むまでは地球にいるけど、産んだら、ここともさよならだね』






最後に沖田に向かって微笑むと部屋を出て行った。
「A…！！」と呼び止める沖田だったが、足が動くことがなく、追いかけることはしなかった。






「(違ェ……、あんな顔させたいんじゃなねェ。
……俺ァ、どうすればいいんでィ)」






初めて、Aに本気で手を上げそうになってしまった。最後にあいつが笑った顔が脳裏にべたりと張り付いて消えてくれない。



「堕ろせ」なんて口走ってしまったが、Aの幸せより自分のことを考えてしまった自分が情けなかった。



沖田は前髪を書き上げ掴むと「くそ……っ」と呟いた。




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