【銀魂】歪 ん だ 愛 情 .

歪18 ページ19

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振り向いた兄は、約2ヶ月ぶりで。

私は嬉しくて走って神威のところまで行き、抱きついた。腰に回された手もやはり全て兄のもので。






『お兄ちゃん帰ってきてくれたんだね？！』





飛びついた反動で、番傘は地面に音を立てて落ちた。そんなの御構い無しに笑顔で神威に話しかける私。





『信じてたよ私は！ねぇお母さんも神楽も待ってるよ』


「…………………」


『早く帰ろうよお兄ちゃん』


「…………………」







黙る兄に何も感じなかった。ーーーその時は。



そんな兄の腕を引っ張って家の方に足を向けるが、足は全く動かず。

振り向いて兄を見ると、私をじっと凝視しており。






「ーーーーーねぇ、A」


『………う、うん、………何？』






その目は今までに見たことのない冷え切った青い瞳だった。その瞳になんらかの恐怖を覚えたのは言うまでもなかった。






「Aは、俺の味方だって言ってくれたよね？」


『そ、そうだよ？……だって、私たち家族でしょ？……早く、か、帰ろうよお兄ちゃん…』


「…………俺は帰らないよ」






バシッと掴まれた私の手首。

少し力の入った兄の手は、冷たかった。雨のせいではないだろう。…………恐らくは彼の今の心の温度。




目を細め私を見つめる神威に「嘘はやめて！帰るよ」と私も強めに言い放つ。グッと力を入れた神威に「痛い！！」と叫ぶ。







『なら、何しに帰って来たの？家族を捨ててまで……。また戻って来たのは何が目的？！』


「…………ふふ、ははははは！」








私の手首を離し、お腹を抱えて笑いだす神威。そして、その笑いが終わったかと思うとまた私を見つめた。その瞳にゾッとする。






「ーーーーAを迎えに来たンだよ」


『え？………ッ！！』





突如、足に襲う激痛。

彼の手の番傘から発せられた銃声の音。バランスを崩し、前に倒れる私を抱きとめる神威はニタリと笑って。





耳元でそっと呟いた。








「俺とAは一心同体だから。
ーーーずっと一緒だよ」







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