【銀魂】歪 ん だ 愛 情 .

歪10 ページ11

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─────俺から逃げられると思うなよ。


『……………っ！』




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恐ろしいほどの冷え切った声に飛び起きる。
体を起こし、あたりを見渡すと妙に鼻に付く匂い。……これが畳の匂いか。



のそっと布団から出て、襖を開けてからキョロキョロと見渡す。






「よォ、起きたか」


『………わっ！』






後ろにいた先ほどの栗頭に驚く。
反対の襖から来たのか、彼は変なものを見る目で私を見つめた。






「テメェ、夜兎だろィ？」


『え、えぇ……そうですが』


「その白い肌に番傘でわかりやした。俺の知り合いのとこにも憎たらしい兎のガキがいやしてねィ」





この地球に、私の他にも夜兎がいるようで。


…………まあ、そんなことは今はどうでもいい。


今はこの星についてもっと詳しく覚えなければならない。





「不正入国で逮捕でィ」


『え……』





無表情の彼の口から出てきた言葉に表情が固まるのがわかった。固まる私にそいつはふっ…と人を馬鹿にしたように鼻で笑い。




「…………と言いたいとこだが、テメェの魘された様子みてりゃ何かに追われてるってことがわかったんでな。今回は見逃してやらァ」





──────よかった……

と胸をなぜ下ろす。地球に逃げてまで、監獄の中に閉じ込められるのは御免被る話だ。


「ありがとう」と栗毛に頭を下げる。





「テメェ、名は？」


『Aよ。………えっと、』


「沖田総悟でィ。真選組副長(・・)でさァ」


『そう、沖田総悟ね。………それより、ここはどこ？』


「屯所でィ。いきなりテメェが倒れちまったからここに連れてきた次第でさァ。病院連れて行ってもテメェの場合、専門外だろうからな」






丁寧にも頭に包帯が巻いてあり、沖田総悟の判断にも納得が行く。夜兎の医師なんて地球にいるわけもないか、と。


私は結んであった三つ編みを解いて整えると、番傘を手に取る。






『ありがとうございます』


「どこ行くつもりでィ」


『決まってませんけど、』


「そうかィ。ンなら、ちょっと付き合いなせェ。テメェにいい奴紹介してやらァ」







いい人を紹介してくれるのだったら今はこの沖田総悟についていくべきか。

来い、と顎で促す沖田総悟の後ろについて行ったのだった。





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