君に会えない日【神威】

26＊妹として 神楽side ページ27

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「痛いアルゥゥウウウウウ！！！！」





いきなり飛んできた箱が頭につき刺さり悶える。痛い。ものすごい痛いネ。





「神楽ちゃん大丈夫？」


「おい大丈夫か、神楽、………ぶぶっ」


「何笑ってるアルカ、くそ天パ」





必死に笑いを堪えようとしているようだけど、肩の震わせ方が尋常じゃない目の前のクソ野郎。


足をかけて銀ちゃんを地面に倒し、起き上がった私はそれを見下ろした。







「ぶぶっ、銀ちゃん何やってるネ」


「お前がやったんだろ、クソガキ」


「ていうか、コレ誰のでしょうね」






真っ白な長方形の箱にサーモンピンクで可愛く結ばれたリボン。

どことなくそのリボンの色に、関心が湧く。




自分の髪色と同じだからだろうか。
いや、違う。

よくパピーがマミーにプレゼントしていた時にやっていた包装の仕方とぴったり合う。





「(………………もしかして、……神威？)」





頭の中に思い浮かぶその人物。


いや、でも、もうあいつはここには来てないはずだ。


自由になって、地上のど偉い奴だってここに自由に出入りするようになったから。





「あっ、銀さん何解いてんですか！！」


「こんなの中に手紙が入ってるオチだろ。誰のか一発だ」


「……………」







銀ちゃんが勝手にそれを解いて中を開ける。





小さなカードに書かれた
" Dear A " の字。






『神楽、字はこうやって書くんだヨ』


『ん〜、イマイチわかんないネ兄ちゃんもっと簡単に書けないアルカ？』


『俺はあんまり字は綺麗じゃないからね、母さんの字が綺麗だよ』


『確かに。神威の字汚いネ』






それも全て神威の字とそっくりだ。







「あ？なんだ、きったねぇ字だなァ」


「黙れ。全然汚くないヨ……」


「は？んだよ、いきなり」


「こんなにも心こもった字が汚い訳ないアル……」







"愛してる"

もし、これが神威(あいつ)の字だったなら……。




私はこれを、
彼奴の、神威の妹として届けるべきなんだ。






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