君に会えない日【神威】

16＊惚れた ページ17

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「いやァ、Aちゃん久々だねぇ。
おじさん会いたかったァ」


「…………」




すでに出来上がっている松平公。


ニコッといつもの作り笑いを浮かべお酒を注ぐ。
隣にしっかりといてくれる沖田さんにもお酒をほんの少し注いであげた。





「少ねェ」




一気飲みし、また注げと出してくる沖田さんにオレンジジュースを手渡す。





「お前らヤケに仲良くなったなァ」


「どこを見て言ってるでありんすか」


「総悟が珍しく俺も行くなんて言ってよォ」





お猪口をゆらゆらと揺らす松平公。隣の沖田さんを見ればいつも通りのポーカーフェイス。





「そうなんですか？」


「…………ただの気まぐれでィ」


「お前の気まぐれってのが一番あやしィんでだよォ。惚れたか、Aちゃんに」


「るっせィ」








"惚れた"
その言葉を否定しない沖田さんをまじまじと見る。



こっちをぎこちなく見る沖田さんと目が合う。

沖田さんは、私の頬をつまむと、「悪ィか、惚れたら」と言った。






「………………」


「なんか言いやがれ」


「…………いえ、……ただ」


「あ"？」


「…………沖田さんも人を好きになることあるんだなって思っただけです」







お前なァ……とじりじり私に詰め寄る沖田さんに、一歩二歩と後ずさる。

私の頬に手を置く、沖田さん。





「……………お前の待ち人と似ていても俺だったら、お前を幸せにすることぐれェできらァ」


「ちょ………、んっ……？！」




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