君に会えない日【神威】

12＊好きの数だけ 神威side ページ13

.




「…………はあ」




また宇宙へ戻り、暗い暗い中。

部屋の電気もつけず、真っ暗な部屋で仰向けになって、天井を仰ぐ。




「A………、……A」




何度も彼女の名前を小さく口ずさむ。




.





あぁ、どうして。

───自分のせいだろ。





.






あぁ、A、お前はもう俺のこと、

───どうでもいいから他の男といたんだろ。






.





俺の問いかけに心の中のもう一人の自分が答える。




.




好きだ。好きだ好きだ好きだ。




.





「…………はあ……、ダメだ」




好きが溢れすぎて。
好きでは収まりきらないほど彼女を愛しすぎている。




.





どうする？
今からでも彼女を連れ去るか。



.






俺はベッドから降りると、外の見える窓まで行く。
ここから見える地球はもう小さい。




この果てしなく広い宇宙と地球の離れた距離。
それはまるで俺たちの心の距離のようで。






「………この戦闘狂が一人の女にここまで執着するなんてネ」






.





「A、君に会えない日がこんなにも苦しいだなんて思いもしなかったよ」






.






窓の向こうにある小さな地球に向かって、ガラス越しに手をかざした。






.

13＊用済み→←11＊今でも

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す