22 ページ22
*
自分が変わったのかどうかはわからない。
けれど、きっかけをくれたのはイザナとの再会だと思う。
「イザナは関係ない」
「………じゃあなんだ？黒川イザナとはもうやったのかよ」
「は、」
私の胸を鷲掴みするレイ。手を掴んで「離して」と言うけれど、全然離してくれない。「お前は俺のもんだ」と何度も叫ぶように言う彼。顔の横をドンドンと何回か叩いた。
「全部私が悪かった。ごめんなさい、たくさん利用して……。お願い、もうやめて」
「……お前が戻ってくるまでやめねぇ。誰のものか教え込んでやる」
レイは私の胸から手を離すと肩を押さえて動けないようにした。そして、そのまま近づいてくる。キスされる、そう思って思いっきり顔を逸らす。それが気に食わず、拳を作るレイに目を瞑った。
「ーーーじゃあ俺がAが誰ものなのかはっきり教えてやるよ」
目を開けて、声のする方を見ればイザナが立っていた。見るからに怒っているであろうイザナ。冷静なのが逆に怖い。後ろに引き連れている灰谷兄弟で怖さ倍増だ。
彼は歩いて私たちに近づくと、レイの首根っこを掴み私から引き剥がす。思わず腰を抜かす私をイザナは簡単に持ち上げて立たせる。何をするんだ、と思っていると急にイザナは私との距離を詰めてきた。
あぁ、キスされると直感的に悟る。嫌なら避けられる、けれど私はそれをそのまま受け入れた。だって、イザナとのキスは嫌じゃなかったから。
「…………んっ」
「………………」
「慣れてんなぁ、A」
一度口を離すイザナはそう言って私にだけ見えるように笑うと再度口づけを。ファーストキスはレイだった。いつもキスをしてこようとしていたのを嫌がっていたけれど、無理やりされていた。
深いキスに体が痺れるように痙攣する。
ちゃんと息継ぎの間を与えてくれていて、私の方が言いたい。キスに慣れてるでしょって。
「………イザナぁっ」
唇が離れれば伝うのはお互いの混ざり合った唾液の糸。腰が砕けたように抜かす私を抱き止めるイザナは、フッと口角を上げてレイを振り返り見る。
「Aは一度でもてめぇにこんな顔したか？」
「…………っ！」
「今後俺のモノに手ぇ出そうとしたら、お前………殺すぞ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
頭ン中お花畑(プロフ) - とっても甘々で最高でした。ニマニマが止まらないし、本当に胸がキュンキュンするーっ！ 最高のイザナ夢をありがとうございました。寿命が伸びた気がします (1月7日 23時) (
レス) id: 67d18bea8c (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 天竺編10月始まる楽しみ今からイザナ見るの待ちきれらない (6月21日 0時) (レス) id: 67f766a775 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - イザナの名言天竺編で見れるの楽しみです。 (6月12日 1時) (レス) id: 67f766a775 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - ↓ごめんなさい 間違えました (5月15日 22時) (レス) id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - あ (5月15日 22時) (レス) id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2022年11月13日 16時
