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顔を真っ赤にさせる私をよそに普段通り食事をしているイザナ。まるでさっきまでのことがなかったような雰囲気だ。
そんな私を気遣ってか、カクちゃんを呼んだ灰谷兄弟はイザナにカクちゃんと帰るように促した。私は灰谷兄弟と共に買い物にという嘘をついて。
「……蘭」
「流石の俺も大将の大事なコには何もしねぇって」
イザナは私をみて「エマが早く帰ってこいって言ってた」と伝えるとカクちゃんと一緒に帰って行った。
私も一旦一人になって落ち着こうとすれば、右には蘭くん、左には竜胆くん。私の腕を組んで「買い物行こうぜ♡」と歩き出した。足裏が宙に浮かぶ。
「(嘘……身体浮いてる……)」
とてつもなく高級なブティックに入っていく二人。
いろんな服を投げ渡されて、試着室に押し込まれた。とりあえず着替えれば「これは大将の好みじゃねぇな」「兄ちゃんこっちじゃない?」とかなんとか話し合っている。
着せ替え人形の如く、いろんな服を渡されては試着して、品定のように上から下まで見てくる二人。
「…………えっと、これは」
「プレゼント♡」
「桁に少し間違いがあるのでは……?」
「遠慮すんなって♡」
桁が1つ多い。可愛い服だけど、値段が可愛くない。
ご丁寧に佐野家まで送ってくれたが、未だにイザナは帰宅していない。ちょうど家の前で帰宅してきた真一郎くんと会い、「お前ら相変わらず金持ちだな」と灰谷兄弟に苦笑いを浮かべていた。
一緒に家の中に入り、イザナの部屋に荷物を置くとリビングに入る。真一郎くんがいなくて探せば縁側に座ってタバコを吸っていた。
私に気づいた彼は隣をぽんぽんと叩いて座るように促した。「タバコ」と呟けば、笑いながら謝りタバコの火を潰した。
「うちの生活慣れてきたか?」
「はい、お陰様で。……家族って良いなって毎日思ってます」
「そりゃよかった」
真一郎くんはチラリと私を見て、「イザナとはどう?」と聞いてくる。顔を赤くすると、彼は「青春してんなぁ」と笑っていた。
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頭ン中お花畑(プロフ) - とっても甘々で最高でした。ニマニマが止まらないし、本当に胸がキュンキュンするーっ! 最高のイザナ夢をありがとうございました。寿命が伸びた気がします (1月7日 23時) (レス) id: 67d18bea8c (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 天竺編10月始まる楽しみ今からイザナ見るの待ちきれらない (6月21日 0時) (レス) id: 67f766a775 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - イザナの名言天竺編で見れるの楽しみです。 (6月12日 1時) (レス) id: 67f766a775 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - ↓ごめんなさい 間違えました (5月15日 22時) (レス) id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
桜華 - あ (5月15日 22時) (レス) id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2022年11月13日 16時