モデルとデザイナー【三ツ谷隆】

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「ほ、本物のAちゃんだ……。可愛い！」



隣のヒナが頬を紅潮させて、目の前にいる雑誌で有名なモデルのAちゃんを眺めていた。何故彼女がここにいるのか。人気モデルが東卍の集会来てるとか有り得ない。


整った顔立ちの彼女はエマちゃんと話していると、パァッと笑顔になり走ってくる。え、こっちに？なんて思っていれば俺の隣を通り過ぎて後ろの方に。



「隆！」

「お、おう。引っ付くなって」



彼女は三ツ谷くんの名前を呼んでギュッと抱きついていた。ベタ惚れなのかデレっと蕩けたような笑顔を浮かべている。みんな普通の顔してるけど知らないの俺だけ？

どうやら彼女は三ツ谷くんの幼馴染兼彼女らしい。


あんな可愛い子が彼女なんて三ツ谷くん幸せものだな。俺だってヒナが可愛くて仕方ないから気持ち、わかります。



「(……あれ、でも)」



12年後の未来。
モデルのAちゃんは女優もしていた。けれど、ある報道が炎上して、追い詰められたAちゃんは確か。


…………自宅マンションから飛び降りていた。

興味本位であの時報道誌を見たから思い出せる。そうだ、炎上の挙句婚約解消か？と雑誌一面に大きく載っていた。その婚約者ってもしかして三ツ谷くん？



「あの、Aちゃん」

「え、誰？」

「タケミっちだよ」



三ツ谷くんの紹介で頭を下げる。

彼女に、「夢ってありますか？」と聞けばその子は一瞬キョトンとした後に雑誌で見るよりも可愛く笑った。すぐそばにいる三ツ谷くんに腕を回して、ニコリと顔を傾ける。



「隆のお嫁さん」

「気が早ぇって」

「ええ！隆は私のこと遊びなの？！」

「んなことねぇけど」

「あ、照れてる！好き〜！」



確信した。
その後、Aちゃんの所属事務所にいた男性タレントが殺されて逮捕されてた男がいた。



「三ツ谷くん、Aちゃんと末永く幸せに」



抱きつくAちゃんを撫でながら三ツ谷くんは「タケミっちまで気が早ぇよ」と笑っていた。どうか12年後、二人に何もありませんように。



ーーー未来を変えなければならない。



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