モデルとデザイナー【三ツ谷隆】

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「例の彼氏とはうまくいってるのAちゃん？」

「あはは、めちゃくちゃラブラブですよ〜♡」



バラエティー番組出演。

おじさん芸人に話を振られ、デレてしまう頬を押さえながら「料理上手いんですよ」と言う。初めてのバラエティー番組にしては上出来なんじゃないかな。



「どんな人？」

「えっ」

「教えてよ〜。人気モデルをほの字にさせてる男のこと！」



いやいや番組収録で何聞いてるんですか、おじさん！！グイグイ興味津々に聞いてくる。タレントさんヘルプ！見て見ぬふりしてないでよ！



「何？それとも話せないぐらい変な男の子？」

「は？！隆は世界一カッコいい男ですよ！！！」



思わず立ち上がりそう叫んでいた。
そして私は「三ツ谷隆」という男についてその日の収録中熱く語っていたらしい。


話し終えた頃には、その場がシンと鎮まり返った。カメラマンや番組関係者皆、若干引いている。え、私の三ツ谷隆談はそんなに引く内容だったのか？



「…………あ、うん。Aちゃんがその子のこと大好きなのはわかったよ」

「ありがとうございます♡ちなみにもう一個伝えたいことがあるんですけど聞きますか？」

「いや、いいよ」

「え」



なんなんだよ聞いてきたのそっちじゃん。



「ーーーそんな出来る男の子がいて、Aちゃんはいつも何をしてるの？」



とある女性タレントの言葉に私は「へ？」と思わずつぶやいた。隆は喧嘩が強い。加えて料理も裁縫も掃除も出来る。おうちデートの時はいつもご飯を作ってくれていつのまにかお風呂も沸いていて、私の服が破れてしまった時はすぐに縫い直してくれる。



「……………………私、何もしてない」

「え？ご飯作ってあげたりしないの？！」

「………私料理苦手で……。洗濯も一度洗濯機爆発させた………、裁縫は手が血塗れになるし……」




あれ、これもしかしてもしかしなくても、私は何も隆に返せてないのでは？



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