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「……なに、言ってんの?」



きっと守沢を見る私の目は「信じられない」と語っていることだろう。

百歩譲って、お礼するいらないを繰り返すうちに何となく仲良くなるのならまだ、わかる。
けどなんだ友達になってくれって。中学二年生でそんなこと言うか普通?

しかも、なんで私?



「……駄目か?」

「いや、ダメとかそういう問題じゃなくて、」



そこまで口にしたところで、周りにチラホラと人が増えてきたことに気づいた私。
こんな所でこんなやり取りしてちゃ変人だと思われてしまう。

珍しく戸惑っている自分に謎の羞恥心感じながら、取り敢えず私の腕を掴む守沢の手を握った。



「うおっ」

「ちょっと来て!」



守沢を引っぱって来たのは、昨日の体育館裏だ。

ここなら誰も来ないと言いきれる。
つまり、少しくらいなら話を聞いてやらなくもないというわけ。

目の前の彼は、またにっこりと微笑んでいる。その曇りのない笑顔に、私は思わず眉を寄せてしまう。



「友達とか無理でしょ」

「なんでだ!?」

「いや、だって私は女だし。てか陰キャだし」



男女で改まって友達なんて、今時無いと思う。「いいよ、友達になろう」なんて死んでも言えるわけないじゃないか。
それをわかって欲しくてそう告げたのに、守沢は怪訝そうな顔をして首を傾げるだけだった。



「何で中村が女子だと友達になれないんだ?」

「え、だ、だって、」

「オレにはちゃんと女子の友人もいるから、関係ないと思うぞ」

「いや、そうじゃなくて……」



なんだろう、柄にもなくあたふたしている自分の方が気持ち悪い。
なぜか急に頷いてもいいような気がしてきて、私はまたため息をついた。

こんなことを言われたのも、こんな面倒事に巻き込まれたのも、こんな感情を持つのも初めてだ。



「……友達って、なろうって言ってなる訳じゃないでしょ」

「へ?」

「だから、」



____自然になるものでしょ。

って、何言っているんだ私は。
私の言葉に守沢は目を輝かせていた。もしかして、今まで友人全員に友達申請してきたのか。

なぜかすごく恥ずかしくて、頬が熱くなっていた。



「そうか、じゃあ、これからよろしくな!」



とんでもないやつと関わりを持ってしまった。

そう思いつつ、別に嫌なわけでもなかった。
二カッと笑う守沢と目が合い、なんとなく微笑んでしまう。



「……まぁ、いっか」



そう思わせてしまう力が、多分こいつにはあるんだ。



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りつ@鉛筆 #アダマリLOVE(プロフ) - 急に失礼します癖に刺さりました。 (2022年8月29日 20時) (レス) @page10 id: 6f6f2e1e89 (このIDを非表示/違反報告)
雪月詠 - 急にすみません大好きです() (2022年7月8日 19時) (レス) @page10 id: ec1ca7135a (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 急にすいません好きです() (2022年7月4日 18時) (レス) @page10 id: 6e1901c539 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とわね | 作成日時:2022年6月27日 1時

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