＿＿黒。【呪術廻戦】

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私という人間が五条悟につり合うだなんて、天と地がひっくり返っても無理に決まっている。

そもそも、私が生まれたこの紅月家自体が、五条家とつり合うだなんて到底思えない。



この紅月家は、御三家よりもずっと、下の家系でありとても小さな家系である。そんな紅月家の私が指名されたというのだ。


何も言えないでいる私に、父は言った。


「お前の、その力を欲しがっているのだろう」



父のその言葉に、私の中にある''それ''が大きく揺れた



この紅月家は、呪術界の中で知る者は知る、密かに有名な家でもあった。



有名、と言っても紅月家ではなく、''紅月の言い伝え''が有名なのだ。


紅月家には昔から代々伝わる、言い伝えがある。





＿＿月が赤く染まる日、子は''闇''を持って生まれる







''闇''





紅月家のものですら、闇というものをよくわかっていない


闇と言うのは術式のことなのか、それとも少し変わった呪力なのか、ましてや…まったく別のものなのか。



闇を持って生まれた子は、今までで3人しかいない



だからなのか、判明出来ていることは少ない。


現時点で解っているのは、闇を持って生まれた紅月家の呪術師は、膨大な呪力と共に、不思議な術式を使う。この術式がこの家系にとっての相伝の術式だった。



そしてもう1つ、闇を持って生まれた子は、黒い髪と金色(こんじき)の瞳をもって生まれる。



月が赤く見える日、それらを持ち合わせも 私は生まれた。


私の中に、確かにそれはある。

五条家の人間は、紅月家の者ですらよくわかっていない私の中にある闇を求めた、この膨大な呪力を求めた。


だが何故、その為に五条悟を使った。わざわざ相伝の術式を受け継いだ彼を使う必要など無いだろう。五条家にだって多くの術師がいるというのに。



何年経った今でも、私には理解できないでいた。









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