その４４ ページ44
私の涙が止まった頃
ダイゴが少し待っていて、と
起き上がっていった。
戻ってくると手にはドライヤーが握られていた。
「髪乾かしてあげるから椅子に座って」
「……自分で、できるから」
「いいから」
私はいつもより重く感じる身体を起こして椅子に座る。
するとダイゴはドライヤーのスイッチを入れて
私の髪の毛を乾かし始めた。
しばらくするとドライヤーのスイッチが切られた。
「終わったよ」
「ありがとう」
私は小さい声で振り向きもせずに言った。
そんな私にダイゴは優しい声で
「A」
と、名前を呼んで後ろから私を抱きしめた。
あたたかい。
何度突き放しても懲りずに私に差しのべてくれた彼の手を私はそっと握る。
すると彼はその私の手に、自分のもう片方の手を重ねた。
もっとあたたかくなる。
私はポツリ、ポツリとあの悪夢のことを話し始めた。
普段なら自分のことなんて自ら話すことはほとんどないのだが
今日は話したかった。
聞いてほしかった。
でないと押し潰されてしまいそうだったから。
ダイゴは静かに聞いてくれた。
そして私の手を強く握って小さく言った。
「僕が何度でも連れ出してあげる。
そもそも２度とAをあそこには戻らせない。
一生僕が守るから…」
小さい声だったけれど、強い意思を感じる言葉だった。
一生、か…。
そんなの無理でしょう…？
思わず苦笑する。
「一生なんて無理よ。
だってあなたは有名企業の跡取り息子で
私は超巨大財閥の血をひく娘。
捨てられたと言っても使い道はいくらでもあるし
それがいつともわからない。
そして私はそれにいつまでも逆らえない。
ダイゴだって私との関係はいつまでも続けられない。
会社のためにも次の跡取りが必要なのだから。
そのうち、私との関係は…終わりに、しないとね…」
最後は絞り出すようにして言い切った。
わかっていたはずなのに。
わかっていたことなのに
いざ言葉に出そうとすると声が震えた。
「っ、だから……」
「うん、だからずっと一緒にいよう」
「私の話、聞いてた？」
「もちろん、ちゃんと聞いていたよ」
するとダイゴは私を離し、私の右側に動いた。
そして左膝をついて跪き、私の右手をとって言った。
「A、僕と結婚してください」
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ルージュ - 猫好きさん» 早まるな！まだ生きれる！だから戻ってこい！！カムバァァァァック！！ (2019年1月26日 17時) (
レス) id: 92684cda39 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - く…わたしは…ｶﾞﾊｯ…もうだ……ダメみたいだ………ﾊﾞﾀｯ 死因；尊死&恥ずか死 (2018年12月25日 12時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - アオさん» ありがとうございます（*^_^*）がんばってみます！ (2018年9月9日 15時) (レス) id: fc3c38c34e (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 昨日の夜から読み始めたのですが、すっごく面白いです。夢主が照れているのが可愛くて、読んでいて楽しいです。これからも更新頑張ってください。 (2018年8月23日 14時) (レス) id: 9f57f7d7c8 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - Ｎさん» ありがとうございます！がんばりますね〜 (2018年7月6日 19時) (レス) id: fc3c38c34e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年9月17日 17時
