その１４ ページ14
「ただいま」
今日は少し早めに帰ることができた。
といっても２１時。
リビングの明かりがついているのが見える。
入りながら言う。
「ただいま」
「ん…おかえり」
振り返ったAは僕に言った。
Aはソファに座って何か飲んでいたらしい。
その手にはマグカップが両手で握られていた。
しかしその左手の人差し指に絆創膏が巻かれているのが目についた。
「指、ケガしたの？」
「ああ、少し切っただけ。
勝手に絆創膏もらった」
「それは構わないけれど。
ちゃんと傷口洗った？
みせてごらん」
Aの左手を取って言う。
しかしAは僕の手を振り払って言った。
「心配しすぎ。
ちゃんと洗った。
子ども扱いしないで」
「子ども扱いしているわけではないよ。
何で切ったの？」
「…なんでもいいじゃない」
顔をそむけてAは言った。
「言いたくないならいいけれど」
それから僕も何か飲もうと台所へ行くと
洗われた調理器具が目に入った。
そうか。
コーヒーを入れてAの隣に座る。
コーヒーを一口飲んで一息ついてから聞いた。
「料理したの？」
一瞬Aは身体を震わせて反応し
それからゆっくり頷いた。
「包丁で切った？」
Aは頷く。
「そっか。
うまくできた？」
「味が濃かった。
料理って面倒」
「あはは、Aは薄味の方が好みだからね。
一般的なレシピ通りだと少し濃いと思うよ。
何作ったの？」
「野菜炒め」
「今度一緒に作ろうか」
「しない」
「つれないなぁ。
あ、指貸して」
Aの左手を取る。
「何？」
いきなりで驚くAの反応は気にせず
人差し指に巻かれている絆創膏の上にキスをする。
「早く治るおまじない」
「………」
見るとAは固まっている。
「A？」
名前を呼ばれてAは我に返ったようだ。
手を素早く引っ込めて急にあたふたし始めた。
「な、ちょ、急に…きゅ、急に何するの！」
「だからおまじない」
「だ、だからって、その、
キ、キスすること…」
Aの顔は真っ赤。
最後の方は声が小さくなって聞こえないほど。
左手を右手で押さえて胸を押さえている。
そんなかわいい仕草を見て
少しからかいたくなった。
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ルージュ - 猫好きさん» 早まるな！まだ生きれる！だから戻ってこい！！カムバァァァァック！！ (2019年1月26日 17時) (
レス) id: 92684cda39 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - く…わたしは…ｶﾞﾊｯ…もうだ……ダメみたいだ………ﾊﾞﾀｯ 死因；尊死&恥ずか死 (2018年12月25日 12時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - アオさん» ありがとうございます（*^_^*）がんばってみます！ (2018年9月9日 15時) (レス) id: fc3c38c34e (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 昨日の夜から読み始めたのですが、すっごく面白いです。夢主が照れているのが可愛くて、読んでいて楽しいです。これからも更新頑張ってください。 (2018年8月23日 14時) (レス) id: 9f57f7d7c8 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - Ｎさん» ありがとうございます！がんばりますね〜 (2018年7月6日 19時) (レス) id: fc3c38c34e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年9月17日 17時
