孤独に寄る少女ともの好き→その三 (ページ2)

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第百二話ページ2

「私ね、あの家にいる時、ダイゴのことが頭から離れなかった。

だから一生懸命忘れようとしてた。

思い出すと会いたいって思って苦しいから。

会えないと胸が苦しくなる。

でも一緒にいるともっと一緒にいたいって思う。

これが好きっていう気持ちなのかな」

『そうだと、私は思うわ』

「うん…それでね、

あの家にダイゴが来たときはうれしかったよ。

一緒に帰ろうって言ってくれた時もうれしかった。

でもこれ以上甘えていいのかもわからなかった。

だって私では彼に与えられるものは何もないのだから。

それにまた私のせいで彼に迷惑がかかるかもしれない事態が起きないとも限らない。

ならこの気持ちに蓋をして

一生会わないようにすればいいと思ったの。

でも彼はそれを止めるよね、どうしたらいいんだろう」

『Aはどうしたいの？

ダイゴに迷惑がかかる、かからないを考えないとしたら、

どんな答えを出すの？』

考えないとしたら。

「そうならば、

私は、

ダイゴと一緒にいたい」

『うん、わかった。

ちゃんと自分の言葉で私に言えたんだから

今の言葉、全部ダイゴに言っちゃいなさい。

すっきりするわよ』

「え、今の全部？

それって、つまり…」

告白しろと？

『そうよ、じゃないとダイゴの家にただ居候してるだけってなって

A、あまり納得いかないでしょ。

めでたく付き合ってしまえば同棲よ。

ほら聞こえがよくなるでしょ』

いやいやいや。

「まだ、向こうが私のことす、好きかなんてわからないし。

それに…」

それにもし私の一方的な思いであり、

それが知られれば、

今まで通りの関係には戻れないかもしれないし。

『怖いの？

今までの関係が崩れるかもしれないってことが』

私はうなずく。

『まぁすぐに、とは言わないけれど。

それか、Aがダイゴに好きになってもらえるように

アピールすればいいんじゃない？』

いやいやいや。

「それも無理だから」

『やってみなきゃわからないわよ』

「だいたい何すればいいかもわからないから」

やれやれ、といった様子でエーフィは目を伏せる。

それから少ししてから点滴が終わったらしく、

看護師が片づけを始める。

それからダイゴも入ってきて一緒に病院を出る。

そして言った。

「A、帰ろう？」

私が小さくうなずくと彼はうれしそうに笑った。