第六十話 ページ10
カイオーガに乗ってから私は必死で呼びかけた。
声で、
体で、
心で。
でも彼には聞こえていないようだった。
それでも必死で呼びかけた。
彼は巨大な力を一気に取りこんでしまったことで
混乱し、恐怖も感じているようだった。
救ってあげたかった。
私がホウエン地方に戻ってきたのは、
彼を災厄から守るため。
ある日夢でカイオーガの恐怖を感じた。
それは決して気のせいだとは思わなかった。
私と彼は面識があるから。
だからたとえ自分を犠牲にしても彼を守らねば、と思う。
でも再会した彼に言われた。
自己犠牲と。
でも自己犠牲なんてかまわないと思っていた。
次はエーフィにも言われた。
私は自分に嘘をついていると。
ダーテングに信じる、ということを教えてもらってから
私は変わった気がする。
今までは変化を嫌っていたかもしれない。
でも今の自分はそこまで嫌いではない。
他人に関わったり、ましてや頼るとか信じるとか
もっての外だと思っていたけれど、
さっきは自分から言ってしまった。
だって彼に信じてる、なんて言われてしまったから。
彼のまっすぐなその気持ちに応えたいと、
そう思ってしまったから。
ごめんね、エーフィ、私あなたとの約束破ったかもしれない。
申し訳ないと思っていても私は彼に期待してしまうかもしれない。
それかもうとっくにそうしたいと望む自分がいたから
私は彼と関わりたくなかったのかもしれない。
でも今は違う。
もっと彼と、
ダイゴと一緒にいたいと、
一緒にいれば自分の欠けているなにかを
見つけることができるのではないかと、
そう思う。
だから、
私事がけっこう入り込んではいるけれど
『聞いて、カイオーガ』
私はみんなを救うよ。
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猫好き - 親父いいいい！婚約の雰囲気あざーーっす！ (2018年12月25日 11時) (
レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
白黒龍 - 私は1です。続きが気になります。 (2017年8月10日 11時) (レス) id: c6354e9b33 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 私は1かな…続きが気になって…！ (2017年8月8日 0時) (レス) id: 69ba82f80a (このIDを非表示/違反報告)
アユミ(プロフ) - 私は、１で、続きがとても気になるのでまだ続けてほしいです。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: d27fc7ca9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年5月6日 21時
