第五十七話 ページ7
外に出るとダイゴたちがいた。
嵐は先ほどよりも激しくなり
海面も上がっているように感じる。
「A！」
気がついた彼が私に声をかける。
「さっきより雨風が強まった。
これは…」
「カイオーガがゲンシカイキした」
「なんだって！？」
「だから、止めに行く」
二人は驚いた。
「そんな無茶な。
きみ一人でどうこうできるような事態ではないのだよ」
「無鉄砲でどうにかなる相手じゃないことは、Aでもわかるはずだろう」
「じゃあ何か考えでもあるというの？
時間がないのよ。
私だからできること、これを試す他ないわ」
二人は黙る。
この二人を説得していても時間の無駄だと判断し
一人で行こうとしたとき
腕をダイゴにつかまれた。
「また、きみを一人で行かせるようなことはしないよ」
まっすぐ私を見てそう言った。
「じゃあ何？
引き留めるの？」
「ちがう、一緒に行くよ」
「……わかった」
「ダイゴ、きみまでそんな無茶を…」
「でも、ミクリ。
Aならきっと世界を救える。
僕はそう信じてるから。
でもあんまり無茶しすぎないように僕は行くだけだよ」
「なにそれ、余計なお世話」
「そう、か」
ミクリも納得したようだった。
「おまえが止められるのか？」
不意に後ろから声をかけられた。
アオギリだった。
「できるかできないかの問題じゃない。
止めるの」
「アオギリ、もうやめにしましょう。
やっぱりカイオーガを目覚めさせるべきではなかったのよ。
私たちは間違っていた。
あなただって気付き始めているんじゃないの？」
女が言う。
全員がアオギリの言葉を待つ。
「……あぁ。
ああ！そうだよ！
…俺は間違っていた。こんなふうになるはずじゃなかった。
カイオーガに拒絶されて、いまさら気がついた。
かっこわりぃ…」
あきれた奴…
「あんた、馬鹿ね」
「ああ！？てめぇ今…」
「でも、気がついた。
それだけまだマシ。
ほら、あいいろのたま、渡しなさいよ。
それが必要なんだから」
アオギリは虚を衝かれたような表情をしたが、
あいいろのたまを私に渡した。
これでカードはそろった。
「本当に来るの？」
ダイゴに確認を取ると
「もちろん」
彼はこんなときでも笑って答える。
でも少しそれに安心する自分がいるように感じる。
この感情は一体何なのだろう。
「じゃ行くよ」
私たちは飛び立った。
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猫好き - 親父いいいい！婚約の雰囲気あざーーっす！ (2018年12月25日 11時) (
レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
白黒龍 - 私は1です。続きが気になります。 (2017年8月10日 11時) (レス) id: c6354e9b33 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 私は1かな…続きが気になって…！ (2017年8月8日 0時) (レス) id: 69ba82f80a (このIDを非表示/違反報告)
アユミ(プロフ) - 私は、１で、続きがとても気になるのでまだ続けてほしいです。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: d27fc7ca9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年5月6日 21時
