第九十九話 ページ49
フライゴンに乗せてもらってしばらく飛んでいると
大きな屋敷が見えてきた。
あれはもしかして…
「フライゴン、Aは生家にいるのかい」
フライゴンはうなずく。
一体なぜ。
でもそれならあの表情にも納得がいく。
Aはなんらかの形で呼ばれたのだと。
しかしあれほど嫌っていた家になぜ自ら行ったのか。
それ相応の理由がなければありえないはずだ。
それにしてもまいったな。
正面からでは恐らく会う事はできないだろう。
もしかしたらAが拒絶することもありうる。
それでも居場所があの家ならば
尚更直接会って、理由を聞かなくては
僕は納得できない。
フライゴンは屋敷の敷地の上空の一回りを終えようとしていた。
それにしても広大な敷地だ。
屋敷も広いし庭も広い。
近代化を進めているまちと比べると
ここだけ取り残されている、
留まっているように思えた。
フライゴンがだんだんと降下していることに気がつく。
このまま降りるともしかして屋敷の敷地内なのでは？
それじゃあ僕、不法侵入じゃないのか！？
「ちょ、フライゴン、さすがに断ってから中に入らないと…」
大丈夫大丈夫、というように
首を振る。
いやいや大丈夫じゃないと思うのだけれど。
下をみると着物を着た女の子が気が沈んだ様子で部屋を出て
その後ろを2人の女性がついていくのが見えた。
危ない、タイミングが悪ければ見つかるところだった。
それからフライゴンはその3人が出て行った部屋の前あたりに降りる。
ということは。
ここにAが？
するとその部屋のふすまが開く。
そこには以前より痩せてしまったAがいた。
体調が悪いとすぐ見てわかる。
「A、その…」
「フライゴン、あなたが連れてきたの？
まったく…。
今はいいわ。
ダイゴ、私のことは忘れて、早く帰って。
突然入ってくるなんて不法侵入で訴えられても何とも言えないわよ」
ごもっともなことを言われてさらに言葉につまる。
「僕は、あの手紙に納得いっていないよ。
きみが自ら望んでここに戻ったなんて思えない」
「妹が会いたいって言ってきたのよ。
そしたらうちで働かないかって言われたの。
給料も出るし、今後の資金稼ぎのために少し働かなきゃって思ったのよ」
視線を逸らして答える。
僕はAに近づいて言う。
「それは嘘だね。
たとえ来たとしても、留まりはしないだろう」
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猫好き - 親父いいいい！婚約の雰囲気あざーーっす！ (2018年12月25日 11時) (
レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
白黒龍 - 私は1です。続きが気になります。 (2017年8月10日 11時) (レス) id: c6354e9b33 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 私は1かな…続きが気になって…！ (2017年8月8日 0時) (レス) id: 69ba82f80a (このIDを非表示/違反報告)
アユミ(プロフ) - 私は、１で、続きがとても気になるのでまだ続けてほしいです。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: d27fc7ca9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年5月6日 21時
