第九十話 ページ40
それからはよく覚えていない。
いろいろ妹が話しかけてきたが
それを適当にあしらったことは覚えている。
具体的な内容は覚えていない。
早々にここを出る予定だったがそれは叶わなかった。
部屋を用意してもらい床に着く。
しかし眠れるはずもない。
ここは空気が重い。
エーフィが出てくる。
『A…』
それ以上は何も言わない。
そばにいてくれる。
それだけで十分すぎた。
「エーフィ、ありがとう。
ここはこんなにも息苦しいところだったね」
忘れていた。
いや、外に出て知ってしまったからかもしれない。
自由を。
やさしさを。
不意にダイゴが思い浮かぶ。
すると余計に息苦しくなる。
少しでも和らげようと無意識にエーフィを強く抱きしめる。
『A…』
この子も会話の全てを聞いていたにちがいないだろう。
だからこそ何も言わない。
エーフィにもわからないのかもしれない。
何が最善の選択なのか。
わからない。
わからない。
何もかも。
いつのまにかさっき殺したはずの自分が出てきてしまったようだ。
だからもう一度抑える、殺す。
そうしなければいけない。
冷静な判断ができなくなってしまう。
正しい判断ができなくなってしまう。
どうせ眠れないのだ。
それならば時間を有効活用しなくては。
さて、どうやってここから正当な理由を持って出ようか。
関係を切れるか。
朝までまだ時間はある。
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幸いにも現在現当主とその妻は不在であるようだった。
だからこそ妹がそこそこ好き勝手にしているのだろう。
あの子の付き人は私が出ていった後に雇った者であろう。
私に向ける目でわかった。
数人すでに出会った。
私を腫れものを見るような目を持つ者。
どうでもいいけれど。
相変わらず妹の勧誘は強行的で無茶ぶりだった。
あの執着心に追われてやはりこの子もこの家に染まっていると思った。
もしかしたら親よりも狂った人間になるのではないかと。
「お姉さま、そろそろ観念していただけませんか。
私も一応暇ではないのですよ。
それに、すでに答えは出ていらっしゃるのではないのですか。
ねぇ、お姉さま…？」
縁側で座っていた私を見降ろして言った。
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猫好き - 親父いいいい！婚約の雰囲気あざーーっす！ (2018年12月25日 11時) (
レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
白黒龍 - 私は1です。続きが気になります。 (2017年8月10日 11時) (レス) id: c6354e9b33 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 私は1かな…続きが気になって…！ (2017年8月8日 0時) (レス) id: 69ba82f80a (このIDを非表示/違反報告)
アユミ(プロフ) - 私は、１で、続きがとても気になるのでまだ続けてほしいです。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: d27fc7ca9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年5月6日 21時
