第七十五話 ページ25
結局はベッドに横になっても寝付けなかった。
いつもならすぐ寝るのに。
その間も思考はぐるぐる巡る。
どれも全部彼が関わってくる。
それでも不快な気持ちではなかった。
どうやら私は彼に興味を持っているらしい。
私がここまで他人に興味を持つなんてことは初めてだ。
夜にはきっとエーフィも帰ってくるはずだから
その時に少し話を聞いてもらうことにしよう。
一人で考えていたらまた知恵熱だしそう。
しばらくしてのどが渇いたのでリビングに再び向かった。
見ると彼の姿が見当たらなかった。
別の部屋にいたのかと思い、
適当に食器棚からコップを取出し水を入れる。
水を飲みほし、少し移動する。
ふと、ソファを見ると
そこには本を片手にソファに寝転んでいるダイゴの姿を発見した。
しかし本は広げられた形で体の上に乗り、
すやすやと眠っていた。
初めはどうしてよいかわからず固まってしまったが、
このままでは風邪ひくのではないかと思い、
何かかけられそうなものを探したが見つからず、
しばらくその顔を眺めていた。
穏やかな表情で眠っているその表情を見てふと思う。
自分とはまるで違う、と。
いや、私が異色なのだ。
生まれる前から私は周りと同じ人間でありながら、
一般的とは違う道を歩むことが決まっていた。
他人を羨んだことはない。
でも最近少し思う。
私が彼と同じようにふるまうことができた人間なら
どんな人間になっていたのだろうかと。
彼も一般人とは多少違う人生を送ってきているところがあるが、
それでも普通の人間だと私は思う。
そんな彼の表情を見て
自分が少しみじめで人間の枠から外れているみたいに思えて、
むなしさを、さみしさを感じる。
自分が暗闇にいることから逃れたくなったには初めてだ。
彼がまぶしく、羨ましく思うときがある。
「羨ましい……か」
「ん…なんか言った？」
無意識につぶやいた声でどうやら起こしてしまったらしい。
それにまじまじと顔を見ていたことに気が付かれて少し恥ずかしくなる。
「なんでもない」
あわててその場を離れ、再び部屋に戻った。
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猫好き - 親父いいいい！婚約の雰囲気あざーーっす！ (2018年12月25日 11時) (
レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
白黒龍 - 私は1です。続きが気になります。 (2017年8月10日 11時) (レス) id: c6354e9b33 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 私は1かな…続きが気になって…！ (2017年8月8日 0時) (レス) id: 69ba82f80a (このIDを非表示/違反報告)
アユミ(プロフ) - 私は、１で、続きがとても気になるのでまだ続けてほしいです。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: d27fc7ca9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年5月6日 21時
