第七十一話 ページ21
彼が部屋を出て行って私はエーフィとふたりになる。
「あなたがこれをコーディネートしたのね」
『Aかわいい』
「どうしてこれ？」
『あら、A知らないの？
彼シャツって言うのよ。
世の中の女の子がキャーキャー言ってるの』
「よくわからない」
食べ終わった食器を机に戻す。
少しまだ頭が重いのと足がふらつく自覚症状があるが、
だいぶ体調は回復した。
それと同時にひとつの疑問が浮かぶ。
なぜ私はダイゴの家にいるのか。
確か寝込み始めたときはダーテングのところにいたはず…。
「エーフィ、私はいつからダイゴの家にいるの？」
『え、いまさら？
でも一日も経ってないけどね』
「あ、そう」
間もなく夜であろうか。
なぜ、という疑問がいくつか浮かんでくるが
そのなかでも大きく割合的に占めているのは
“なぜ彼は私にここまでしてくれるのか”
ついこの間までは私の行動に興味があり
そのうちに事態が大きくなったため無視できない状況になったからであろう。
しかし今回は関わらなくてよい状況のはずであった。
だからこそ浮かぶ疑問。
ふと最近エーフィが私に言った言葉を思い出す。
“特別な存在”
「ねぇ、エーフィ。
“特別な存在”ってどんな存在なのかしら。
家族とはまたちがう存在よね」
『そうよ。
でも人それぞれかもしれないわ。
私も実はよくわかからないけど』
「あなたが私に言ったんじゃないの。
でも、私たちってやっぱり何か欠けているのね」
『そうね。
でもAは変わったわ。
ダイゴに会ってから人間らしくなった気がする。
私は今のAのほうが好き。
Aは今の自分、きらい？』
人間らしくなった、か。
「正直言って自分が自分でない気がするの。
今まで誰かに手を貸してもらったことなかったし。
あなたたちに注意されたり、心配されたことはあったけど、
同じ人間から心配されたり
ましてや叱られるようなことは初めてだった。
だから出来ごとの対応がうまくできているかわからない。
今の自分がわからない。
好きか嫌いかよくわからないわ」
『そう。
でも悩んでいいと思う。
しばらくここで悩めばいいわ。
三食昼寝つきよ』
「え、もう少しよくなったら出るわよ。
別にここ以外行き場がないわけではないし」
『……、まぁここから先の議論は全快になってから決めましょ』
それから少し私はまた眠った。
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猫好き - 親父いいいい！婚約の雰囲気あざーーっす！ (2018年12月25日 11時) (
レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
白黒龍 - 私は1です。続きが気になります。 (2017年8月10日 11時) (レス) id: c6354e9b33 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 私は1かな…続きが気になって…！ (2017年8月8日 0時) (レス) id: 69ba82f80a (このIDを非表示/違反報告)
アユミ(プロフ) - 私は、１で、続きがとても気になるのでまだ続けてほしいです。 (2017年8月6日 20時) (レス) id: d27fc7ca9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃々 | 作成日時：2017年5月6日 21時
