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逢魔時、六週目。 ページ7

shp「また、おらんくなった?」

zm「…先、帰ったんか、なぁ?」

会えたと思った兄は消え、またふたりぼっち。

辺りを見渡しても、いたずらされているようには感じない。

兄の声も、真剣だったし。


先に帰ったのか?と二人して首をかしげる。

また空き地から道路に戻ると、何かが落ちているのが見えた。


zm「何や?あれ」

shp「見てみましょう。」

そこに落ちていたのは、先ほど兄二人が持っていたはずの懐中電灯で。


shp「なんでこんなとこにあるんですかね…」

zm「明るくなるし、見えやすくはなるやろし、無いよりマシちゃう?」


そう言って、カチ、と電気をつけた。


つけた先に、大きな、黒い、蜘蛛のような、バケモノが照らし出される。


笑っているような目と目と、口が、空に向かってついている。

足は、グネグネとうごめく何かと、赤くて細長く、節のあるものの二つだった。

息が詰まるのも一瞬で、振り返って走り出す。


今バケモノに捕まるわけにはいかない。

帰ってこない兄たちと、イフリートと一緒に帰るため。

また、笑顔の溢れる昼に戻るため。


道を走り抜けて曲がると、気配が遠ざかる。

気を抜いて速度を緩める。


zm「はぁ、はぁ、もう、わけわからんわ…」

shp「…たくさんいるみたいっすね、ナニカが、バケモノが…」


直後、またぞわりと悪寒がした。

目の前に黒い影が。

あいにく後ろの道からもバケモノが来て戻れない。


zm「ど、すれば」

shp「!!こっちっす」

ショッピが見つけたのは、さっきと似たような草むら。

ゾムを押し込んで自分も隠れる。


カサカサカサカサと、複数の足音。さっきのバケモノだろう。

その音が遠ざかっていく。


zm「ありがとな、ショッピくん。」

shp「死ぬわけに、いきませんから。さ、兄さんたち、探しに行きましょう。」

zm「でも、どこ行くん?」

shp「そ、れは…」


二人は言葉に詰まる。


zm「とりあえず、家に戻ろや。誰か帰ってきてるかもしれんから。」

shp「そっすね。帰りましょう。」

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ミルクティーsサイズ(プロフ) - 凄い面白かったです!!最新頑張ってください!! (2019年8月17日 14時) (レス) id: 758159dbb8 (このIDを非表示/違反報告)
star - めっちゃ面白いです!続きが気になります!更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月5日 18時) (レス) id: 93c3e87d62 (このIDを非表示/違反報告)
使徒猫(プロフ) - 妖月 零さん» コメントありがとうございます!自己満足の作品ではあったのですが、好き、と思ってくださってよかったです。死ぬほどマイペースですが、ぜひこれからも閲覧してくださると嬉しいです! (2019年7月23日 23時) (レス) id: 4fe6cd50a1 (このIDを非表示/違反報告)
妖月 零(プロフ) - 夜廻さっきまで見てましたwwwすごく好きなので、自分のペースで頑張ってください! (2019年7月10日 1時) (レス) id: f64de88fda (このIDを非表示/違反報告)
白砂(プロフ) - 大丈夫ですよ!いろいろと大変だと思いますが更新頑張ってください!応援しています!! (2019年7月3日 21時) (レス) id: 30dece3efd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:使徒猫 | 作成日時:2019年3月4日 22時

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