Prolog( 警察官 ) ページ4
「…此処か」
エウリュディケ荘園
行方不明者数名が最後にいたと思われる場所には、此処の招待状があった
全員、ゲームに勝てば多額の賞金と願いを何でも1つ叶える
なんて釣られるような話を信じてわざわざここまでやってきたというのか
馬鹿馬鹿しい
そう思っていても、私はこの招待状に惹かれて来てしまった
手元にくしゃりと握りしめた物を破けないよう広げ、もう一度目を通す
〈荘園には、貴女が憧れ、崇拝する邪神がいます〉
最後に綴られた文を読み…
私は興奮と衝動のままに来てしまった
目の前には大きな壁
遠くから見えた景色では、この壁の奥に私が招待された荘園がある筈だ
確か…封筒の中に入っていた地図にはこの場所だと書かれていたのだが………
「来ましたね、警察官さん」
何処かから声がする。どうやら私に話しかけているらしい
「誰だ?」
冷静に
取り乱すな
こういう時にこそ冷静さを欠かないのが大事だと、自分自身が一番わかっているだろう?
「ようこそ、エウリュディケ荘園へ。どうぞお入り下さい」
音も無く目の前にいきなり扉が現れた
声の主は未だに現れない。だが…
それ以上に目の前で起きた事が信じられなくて
「…っ!?」
不可解。非現実的
それと同時に、心の奥底では、少しの期待のようなものもあった
ここに入ってしまえば、自分も行方不明者として扱われるという事を除いて、自由を手に入れられるかもしれない
彼女の様に、こき使われる事の無い為にも
彼らの様に、悲惨な終わりを迎えない為にも
私は、震える手でノブを回した
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