正しい愛情

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Aside

神谷さんと杉田さんに言われた場所に行くと、

広いテラスに中村さんの姿があった。


A「中村さん」


中村「あっ、Aちゃん(ニコッ

よくここが分かったねw」


A「神谷さんから「呼んで来て」

って頼まれたのでw」


中村「あぁwそう言う事ねw」


私は、静かに中村さんの隣に行く。


A「あの...中村さん...

杉田さんから聞きました...

「私の親の事で激怒した」って...」


中村「あいつ...余計な事言いやがって...w」


A「すみません...

余計な体力を使わせてしまって...」


中村「何でAちゃんが謝るの?

俺が勝手にやった事だから、

謝んなくていいんだよ?」


A「そう...なんですか...?」


中村「こっちこそ、

勝手に御両親に対して怒ってごめんね?」


中村さんが申し訳なさそうな顔で私を見る。


A「全然大丈夫ですよ。

ずっと前から「親」だと思ってないのでw」


中村「そっか...w」


中村さんが分かりやすい苦笑いをする。

そんな中村さんを月明かりが優しく照らす。

どうせ、今夜だけの夢の時間...

(こう言う時ぐらい、

本音言ってもいいのかな...?)

深呼吸をすると、自然とこぼれて来る本音...


A「私...嬉しかったですw」


中村「えっ?」


A「「中村さんがあの人達に対して怒った」

って、聞いた時すごく嬉しかったんですw

今まで、そんなに怒ってくれる人

誰も居なかったんでw」


中村「学校とか親戚とか...

それこそ、友達とかは?」


A「あんな環境にずっと居て、

表情が無いんですよ?w

1人で大体の事は出来るので

友達は必要無いですし、

学校側はあの人達が上手く演技してたので、

家の事情に全く触れようとしませんでしたし、

親戚もどこに住んでいるのか分かりま...

いや、そもそもA家に親戚が居るのかも

分からない状態ですから...w」


中村「Aちゃん...。!?」


中村さんが私の髪に優しく触れると、

目を見開いた。


中村「Aちゃん...

こんな話の後にごめんね?

ちゃんと髪乾かした?」


A「あっ、軽くは...」


中村「軽くじゃダメじゃん!風邪引くよ!?

ほら!早く中入ってちゃんと髪乾かすよ!」


そう言って、中村さんは私の手を取り、

室内に戻った。

この時、なんとなく声と言葉が林檎先生に

似てた気がしたのは

ご本人には内緒にしておこうw

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