(242)【第五層】変化 ページ9
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それを見ると、広間の別の場所からキリトの声が聞こえた。
キリト「要領は分かった!次は俺たちも攻撃してみる!」
更に、ハフナーとオコタンの声。
ハフナー「こっちもやるぜ!」
オコタン「我々もやってみます!」
さっと広間に目を走らせると、階段の北側にハフナーとシヴァタ、リーテン、東側にオコタンとローバッカ、ナイジャン、南側にキリトとアスナ、アルゴがそれぞれグループを作っている。
攻略集団トッププレイヤーたちの、さすがの対応力を心強く思いながら、私もありったけの大声で叫び返した。
リゼ「任せた!!ぶちかましてやれ!!」
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両手両足へのソードスキル同時攻撃の威力はさすがに凄まじく、1本目、2本目、更に3本目のHPバーが消滅するのにわずか十数分しかかからなかった。
事前の計画では、ボスが新たなHPバーに移行する時はいったん退避し、攻撃パターンが変わらないかを確かめることになっていたが、残り半分を過ぎて4本目に突入しても今のところ何の変化もない。
もちろん最後までずっとこのままだとは思わないけど、あと一本は削れるはず。
そう考えながら、もう何度目かも分からないバーチカル・アークを発動させた、その瞬間だった。
ネズハ「リゼさん!壁を!!」
ネズハの驚愕をはらんだ叫び声が聞こえ、私は慌てて振り向いた。
これまでは黒無地だった壁に、床と天井から青いラインが伸びていく。それは次々に接合し、隙間を埋めていく。まるで牢獄の檻のように。
リゼ「A隊、B隊の順に階段から退避!」
咄嗟に、私はそう指示した。全員がボス部屋から離脱し、ボスのアグロ状態が解除されるとせっかく減らしたHPも急激に回復してしまうが、初見の深追いは禁物だ。
新たな攻撃パターンを見極めるには、私一人がのこっていればいい。
ハフナー「だが…!」
そう叫びかけたハフナーのマントを、無言でシヴァタが引っ張る。ハフナーは無念そうに頷き、中央の階段へと走っていく。
SAOは冷酷無情なデスゲームだが、最低限の公平性と呼ぶべきものは存在する。
その一つが、ボス部屋には必ず脱出口が用意されている事だ。私が以前プレイしていたMMOでは、ボスとの戦闘が始まったが最後その空間からは出られないものがほとんどだったが、SAOは違う。
ゆえに、この五層ボス部屋も当然そうだろうと、私は信じていた。
しかしー。
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りりか@(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます! (2021年1月4日 20時) (レス) id: 94b1bb8aaf (このIDを非表示/違反報告)
りりか@(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます!頂きます! (2021年1月4日 20時) (レス) id: 94b1bb8aaf (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 続編おめでとうございます!今年もコロナも気を付けて頑張って下さいね!無理しないで下さいね。コメントですけど、暖かいシチューどうぞ。(優しい笑顔) (2021年1月4日 16時) (レス) id: e8a27bc902 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます!! (2021年1月4日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
りりか@(プロフ) - 雪華さん» ありがとうございます! (2021年1月4日 15時) (レス) id: 94b1bb8aaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りりか@ | 作者ホームページ:http naru1
作成日時:2021年1月4日 12時