Bitter Cream Soda

Yellow_flower tea（Reia.N）1 ページ33

Special thanks ♡ ひとみさん
設定アイディア提供していただきました！
ありがとうございます♡


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大学病院の仕事のハードさと人間関係その他諸々に疲れて、町はずれの小さな診療所に転職して2週間。

ようやく仕事もちょっと慣れたかな‥って思い始めた頃、『推し』と同姓同名の人のカルテを見かけて驚く。

その診療所は今どき電子カルテじゃなく紙カルテで。

古めかしく昔からの情報が載っているそのカルテにはずいぶんと前から通ってるらしいその人の通院歴が見てとれた。

4月2日生まれ‥誕生日まで一緒だ。

きっと女の子だよね‥と思ったら男性を表す『M』にチェックが付いている。

へー。男性。『推し』以外でも男性でこの名前の人がいるんだ。綺麗な名前。

どんな人だろ‥。


そんな妄想をしている内に、患者さんが来ていて、受付に診察券が置いてあった。

事務の人が電話対応してるから代わりにカルテ出しをしよう‥と、診察券を見ると、さっきのカルテの名前。

わっすごいタイミング！

さっきしまったカルテをまた出して、待合室を覗くとそこには‥




12年、思い焦がれた、『推し』の姿が、あった。

中村嶺亜くん。

大好きな、わたしにとっての最高のアイドル。







‥が、なんでこんなところに？

目が点になる。

なんで？なんでこんなおじいちゃんおばあちゃんしか来ないような診療所に？

こんなところに若者が来てるってだけでも違和感あるのに、なんでアイドルが来てるの？

芸能人って御用達の病院とかがあるんじゃないの？

それよりオーラと美しさで眩しい！

存在感ありすぎ！


「おっ新人さんいるー」

ニコッと笑いかけてくれたその笑顔はテレビやYouTubeで見るキラキラ笑顔そのままで。

ここが職場じゃなければ間違いなく『きゃー！』と悲鳴をあげて倒れ込んでた。


もちろん心の中はパニクってるし出来る事ならサインをもらいに行ったり握手してもらいに行ったりしたいけど、

平常心、平常心‥。

自分に言い聞かせてなんとか仕事を進める。

「しっ診察ですか？リハビリ‥？」

「電気かけに来ましたー」

足首を指差しながら勝手に治療台に座る。

わたしよりも手慣れたその様子に、慌てて電気治療の準備を始めた。

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