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琳寧くん‥。わたしの王子様。
何年も何年も想い続けた。
琳寧くんに会いたくて全国大会行けるように走った。苦手な勉強もがんばった。勇気を出してここまで来た。
それなのに。
さっきから3人も話し掛けるチャンスを逃して。
わたし‥何やってんのかな‥。
溜息混じりに俯いていると
「誰かにご用事ですかー？」
可愛らしい感じの声。
振り返るととそこには。
長年想い焦がれた王子様の姿があった‥。
琳寧くん‥！
やっと‥やっと会えた。
嬉しくて頭が真っ白になる。
「あっあの‥」
モジモジと口篭るわたしに
琳寧くんと、もうひとり一緒にいたこれまた綺麗な顔した男の子はしばらく待っていてくれた。
それからわたしの持っていたリボンの付いた包みに視線を移した琳寧くんは
「あ、克樹のファン？」
とにこやかな顔をして言った。
ファン？確かにファンだけど、10年間想い続けたわたしの気持ちはそんな言葉で片付けてほしくない。
それに誰？克樹？‥あっもしかしてもうひとりのこの人？
違う違う‥。確かにこの人も王子様みたいな容姿だけど。タキシードとか王子様のコスプレとか似合いそうだけど。
わたしにとっての王子様は‥
10年間想い続けたのは‥
琳寧くんだけ‥。
そう口を開きかけた途端、琳寧くんは
「先に帰ってるねー」
なんて言いながら寮の中に入っていってしまった。
焦ったわたしは、後に残された頭に大きなハテナを浮かべたような顔をした「克樹くん」と思われる人に
「こっ、これ‥琳寧くんに渡してください！」
タオルの入った包みを無理矢理に押し付けて、全速力で走って帰った。
琳寧くんに会えた嬉しさと。せっかく会えたのに勇気を出せなかった自分の不甲斐なさ。久しぶりに見た彼が元気そうだった事への安堵。
色んな感情がごちゃ混ぜになって女子寮に帰ってベッドの中で身悶えた。
琳寧くん‥。琳寧くん‥。
何度も何度も心の中で名前を呼んで。
それから決心した。
もう、忘れよう。
区切りをつけよう。
自分の中でずっと捨てきれなかった小さな大事な想い。
もう、終わりにしよう。
ずっと渡せなかったタオルも、直接じゃなかったけど、渡せたし。
これで、いいんだ‥。
そう思って琳寧くんの事もあの古めかしい寮の事も忘れる決意をした。
すぐに王子様と再会してしまうとは、思わずに‥。
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りぷる(プロフ) - ^_^さん» コメントありがとうございます！嬉しいです♪ 女の子がお相手のお話、また書きたいなぁと思っていました！続編になるか、別の設定になるか分かりませんが、ちょっと大人な感じも混ぜながら書いてみたいと思います。気長にお待ちいただけると嬉しいです♡ (2022年5月19日 18時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - こちらも読ませて頂きました。どのお話も素敵でした。みんならしさがでていて、楽しかったです！このお話達の続きも読んでみたいし、裏のお話も描いて頂けたらとっても喜びます(*^^*)ご無理の無い範囲でお願いできたら嬉しいです。 (2022年5月19日 14時) (レス) @page43 id: b1e5679418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2022年2月26日 16時
