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出会いは‥小学校5年生。
初めて陸上の全国大会に出た。
走るのはずっと好きだったし、いつだってリレーのアンカーに選ばれてた。
でも本格的にクラブに入ってるとかじゃなくて。
地域の陸上記録会に出たら賞状貰えて。
それが嬉しくてたくさん練習してたらいつのまにかなんとか全国大会に行けるくらいになっていた。
初めて来た大きな陸上競技場。
トイレに行って集合場所に戻ろうとしたけど、歩いても歩いても同じ場所に戻ってしまう。
迷った！
どうしよう。集合時間になっちゃう。競技始まっちゃう。失格になっちゃう。
涙目でパニクッてると
「どーしたの？」
同じ歳くらいの赤いジャージを着た男の子が声をかけてくれた。
「まっ迷っちゃった‥。集合場所‥わかんなくて‥」
堪えていた涙が出てくる。
「短距離？」
その子の問いに懸命に頷くわたしの手を取って
「こっちだよ！」
たくさん走って集合場所まで連れて行ってくれた。
「間に合った‥！」
なんとか滑り込んで受付を済ませた頃にはその子の姿は無かった。
お礼‥言いたかったのに言えなかった‥。
ちょっと後悔しながら自分の競技を終えて、他の競技の見学をしていると、トラックを駆け抜けるさっきの男の子の姿が目に入った。
周りの子とスピードが全然違う。
他の子を全く寄せ付けないであっという間にゴールに近づいていく。
凄い！凄い！凄い！
大差をつけて白いテープを切った彼の姿はまるで‥まるで王子様みたいだった。
遠くからでもわかる精悍な瞳。ちょっと浅黒い肌。しなやかに伸びる脚。
なんて‥なんてかっこいいの‥！
初恋だった。
表彰式で覚えた彼の名前を、胸に刻みつけた。
琳寧くん‥名前もかっこいい。同じ歳なこともわかった。
次の日からまた王子様に会いたくて一生懸命練習した。
次の年の全国大会。当然彼の姿はあったけど
「去年はありがとう」なんて声はかけられなくて。
それから何年も全国大会を心待ちにしては、結局声を掛けられなくて悔やむのを繰り返した。
そのうちに彼はオリンピック候補、なんてテレビに出たりするようになって、ますます遠い存在に思えた。
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りぷる(プロフ) - ^_^さん» コメントありがとうございます！嬉しいです♪ 女の子がお相手のお話、また書きたいなぁと思っていました！続編になるか、別の設定になるか分かりませんが、ちょっと大人な感じも混ぜながら書いてみたいと思います。気長にお待ちいただけると嬉しいです♡ (2022年5月19日 18時) (
レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
^_^ - こちらも読ませて頂きました。どのお話も素敵でした。みんならしさがでていて、楽しかったです！このお話達の続きも読んでみたいし、裏のお話も描いて頂けたらとっても喜びます(*^^*)ご無理の無い範囲でお願いできたら嬉しいです。 (2022年5月19日 14時) (レス) @page43 id: b1e5679418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りぷる | 作成日時：2022年2月26日 16時
