2 ページ46
琳寧って俺の事好きなのかな？
そう思うようになったのはいつからだろう。
琳寧は誰にでも優しいけど、俺の事は「特別」に思ってる。
そう思うのって自惚れかな？
でも、特別な言葉がなくても、
琳寧の心が俺を求めてる。
何故だかそう思った。
明るくて邪気の無い琳寧と居ると心が落ち着く。
そう思っているのは俺だけじゃない、みんな一緒みたいで。
メンバーも、先輩も後輩もみんな琳寧のそばに行きたがる。
それでも琳寧の隣の特等席は、いつも俺の指定で。
その事は俺の秘かな自慢だった。
琳寧と居ると心穏やかでいられる。
難しい事とか小さな不安とか、どうでも良くなって。
ただ笑っていられる。
でも。
だからこそ。
好きとか嫌いとか、付き合うとか別れるとか。
そんなややこしい関係になるのが嫌で、
考えないようにしてきた。
琳寧は俺の事が好きで。
俺も琳寧が好きで。
それは当たり前の事で。
でも恋愛的な意味じゃなくて。
大事な友達。大好きな友達。
自分に言い聞かせ続けた。
彼女への気持ちに折り合いがついた。
自分でもそう感じてきた頃ありがたい事に仕事がますます増えてきていた。
大学に居る時間が減った。
たまに行けた大学で時々彼女を見かけたけど、ちょっと笑って挨拶するくらいの余裕が出来た。
きちんと終わったな。
そう思っていた頃に電話が来た。
『やり直したい』
泣きながら訴えてきた電話をそっと切って楽屋に戻った。
俺は多分変な顔してたんだろうな。
琳寧に気づかれた。
「彼女から？」
「‥元、ね」
「‥なんて？」
「‥やり直したい、って」
俺はまた琳寧に甘えたくなったのか正直に話した。
「そっか。良かったね」
「？！‥良くないよ？」
「許してあげたら？まだ好きなんでしょ？」
「もう終わった事だよ。今さら言って欲しくなかった」
「‥素直になりなよ。後悔するかもよ」
「なんで？なんで琳寧そんな事言うの？琳寧俺の事‥」
そこまで言った俺の言葉に琳寧は静かに首を横に振った。
そのあとに俺の目を見つめてきた琳寧の目は真っ直ぐだった。
自分の気持ちを全部飲み込んで、それでいいんだよ、って俺に言ってるように思えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りぷる(プロフ) - 靴下さん» コメントありがとうございます！励みになります！素敵な感想を書いてくださってとでも嬉しくなりました。拙いお話ですが、またお読みいただけると嬉しいです。 (2022年1月6日 5時) (
レス) @page39 id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
靴下 - 素敵なお話ありがとうございます！特に赤緑の、お互いへの信頼感がつくる2人だけの世界が大好きです！虹色mixの、それぞれの関係性と個性の違いをよく考えられていて6人がもっと好きになりました！更新楽しみにしております！ (2022年1月6日 2時) (レス) @page42 id: 1eafe779d8 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん♡ コメントありがとうございます！ いつも本当に励みになります。かわいいって言ってもらえて嬉しいです。名無しさんも更新楽しみにしてます！ (2021年11月22日 2時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！主さんの書かれる緑くんがとってもかわいいです❤︎ (2021年11月21日 23時) (レス) id: 0ca7a49390 (このIDを非表示/違反報告)
りぷる(プロフ) - 名無しさん» 名無しさん！いつもコメントくださってありがとうございます（╹◡╹）♡ とっても嬉しいです！名無しさんの更新もいつも楽しみです！ (2021年11月11日 20時) (レス) id: 37903b9c18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りぷる | 作成日時：2021年11月6日 21時
